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強い日差しに映えるスーツ生地図鑑 伝統の名品、多彩

MEN’S EX

2019/5/20

MEN'S EX

じりじりと照りつける太陽のもと、スーツを楽しむためには――。その鍵を握るのが生地選びだろう。例えば20世紀初頭、熱帯の暑さを凌ぐために開発されたソラーロ生地は最適解の一つ。機能だけではない、ノスタルジックな風情と色選びで日差しを味方につけ、大人の余裕を醸し出せる。




例えば……カルーゾのコットンソラーロスーツ

イタリア語の太陽(ソーレ)が語源のソラーロ。英国ではサン・プルーフと呼ばれ、かつて英国が植民地として治めていた熱帯地方で重宝されたスーツ地だ。強い日差しを受けて玉虫色に煌く生地感は、夏ならではの楽しみ。古き良きスーツに開襟シャツという夏の装いのような、レトロポロの襟出しスタイルでさらに色気をプラス。暖色系でトーンを合わせるのが今の気分だ。

スーツ14万5000円/カルーゾ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店) ポロシャツ2万7000円/チルコロ 1901(トヨダトレーディング プレスルーム) 時計92万円/ブライトリング(ブライトリング・ジャパン)

[ 生地の表情で暑さを愉しむ常夏の伝統生地名鑑 ]

夏に着られてきた伝統的な生地6種。それぞれの名作を知れば夏のスーツ選びがスムーズに。生地自体がもつタッチや見た目の表情、風情を楽しみ、夏の暑さを逆手にとろう。

〈 識者に聞いた 〉鏡 陽介さん/日本橋三越本店 紳士営業部 マーチャンダイザー 世界の生地メーカーと組み新しい企画を打ち出す生地業界のキーマン。クラシックな生地が好物で、ヴィンテージ生地の復刻も行う。

■日差しに映える光沢はサマーパーティにも/モヘア

アンゴラ山羊の毛を原毛に用い、ハリコシや清涼感のあるシャリ感を備える。シルクとは異なる上品な光沢がありサマーパーティーのスーツにも◎。

〈名作定番〉テーラー&ロッヂのアイスモヘア ツイール

「メリノ種の極細原毛であるラムズゴールデンベール70%とキッドモヘア30%の混紡素材。キッドモヘアとラムズゴールデンベールの混紡により、モヘア混素材の中ではとてもソフトに。ただモヘア特有のハリや上品な光沢もあります」



〈今の注目〉ラッシャーミルズのモヘアブレンド

「ウール95%、モヘア5%のミディアムウエイト素材。モヘア混率は低いですが、モヘア特有のシャリ感と光沢は残し、ニューエイジサルトリアからも重宝される新たな名作です。また、トレンドの大柄の展開が豊富なのも嬉しい」



■サラリと涼しげビジネスの定番/トロピカル

梳毛を用いた軽量な平織り生地。あえて織り組織を複雑化せずシンプルに構成し、さらりとした風合いに仕上げている。「トロ」の略称で呼ばれることも。

〈名作定番〉ハーディーミニスのQX2

「スーパー150’sの原料を贅沢に太引きし、柔らかいのにしっかりしているのが特徴です。全世界のビスポークテーラーから信頼を寄せられ、スーパー150’sを代表する高品質の生地といえるでしょう」



〈今の注目〉ドラゴのスーパー130’sトロピカル

「紡績から製織まで一貫生産をする名門。トレンドからクラシックまで幅広いテキスタイルと安定した品質はグローバルスタンダードとして全世界から評価されています。ライトウエイトトロピカルとして最もイメージしやすい生地」



■ざっくり風合いで通気・抗シワ性高し/フレスコ

ポーラの名称でも親しまれる通気性の高い多孔素材。2本以上の強撚糸を撚り合わせた糸を用い、ハリコシが強く、手触りはザラッとする。

〈名作定番〉ヴィターレ・バルベリス・カノニコの4PLYフレスコ

「極太の21マイクロンのハイツイスト4PLYで英国的な堅牢さを備えますが、ナチュラルストレッチもあるのは同社ならでは。しっかりしていて仕立て映えしやすく、服に仕上がった後に、圧倒的パフォーマンスを発揮する名作です」



〈今の注目〉アンジェリコのゴルゴモーロ

「アンジェリコ社は、元々上質な既製服によく採用されていた生地を提供するイタリアの名門ミル。よりサルトリア向けに近年発表したのが本コレクション。重量も抑えめでリアリティがあり、扱いやすいフレスコ素材といえます」



■昔ながらの夏の佇まいに/リネン

元々の原料が通気・吸水・速乾性に優れ、ひんやりした触感がある。淡い艶や節感は見た目にも涼しげ。夏のクラシックなスーツスタイルにぴったりだ。

〈名作定番〉スペンスブライソンの370gアイリッシュリネントロピカル

「世界的に支持されるスーツ、ジャケット、単品トラウザーズどのアイテムでも重宝される名作。ピッティイマジネウォモで世界のウェルドレッサー達がこぞって着用しているリネンスーツの生地がこちら」



■着込んで育てるシワの風合い/コットン

リネン同様に吸水・吸湿性が高いが、高い耐久性が最大の魅力。ウールと異なり蓄熱性が低いので、さらっとした着心地で着られる。

〈名作定番〉松希プロデュースの国産コットンギャバジン

「近年、ポリウレタンなどを微量、綿に混ぜることでストレッチ性を得るものが多いですが、本生地は目付け430gでスーツやパンツにした際も膝抜けしない綿100%の後染めギャバジン。通年着用できるのでコストパフォーマンスも◎」



■夏旅やリゾートにも似合う/シアサッカー

生地を密にする縮絨(しゅくじゅう)により縦方向に波状のシワがあり、肌に接する面積が少なく涼感に富む。綿やポリエステルを混ぜたものも多い。

〈名作定番〉アンジェリコのウール・コットンサッカー

「コットン100%やコットンポリエステルのシアサッカーに比べウール特有の肌離れのよさや汚れにくさがあり盛夏に最適。本来、白に染まりにくい特性があるウールを混紡しつつ、きれいな青×白のストライプ柄を表現したのが凄い」



※表示価格は税抜きです。

撮影/黒沼 諭(aosora)、渡辺修身、江原英二(astro)、長尾真志〈取材〉、若林武志〈静物〉、小澤達也〈取材〉、荒金篤史〈取材〉、久保田彩子〈静物〉、武蔵俊介〈静物〉 スタイリング/四方章敬 ヘアメイク/ MASAYUKI(The VOICE)、勝間亮平(masculine) 文/秦 大輔、吉田 巌、藤村 岳 取材・文/小曽根広光、伊澤一臣 イラスト/千野エー

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[MEN’S EX 2019年5月号の記事を再構成]

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