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資生堂 塗っている間に「肌ケア」できるファンデ

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

資生堂がファンデーション(ファンデ)市場の活性化に挑む。ファンデーションに薬用美容成分を配合し、付けている間も肌のケアができるという新技術「薬用 ケアハイブリッドファンデ」を2019年3月13日に発表した。敏感肌用ブランド「dプログラム」と美白ケアブランド「HAKU」の既存2ブランドから導入し、他のブランドにも順次導入していくという。同社が独自に調査したところ、現在「肌に良くない」というイメージからファンデーションを使用しない人が6割に達しているそうで、新技術の投入でネガティブイメージの払しょくを狙う。

「(肌への負担というイメージから)肌のことを考えたら、ファンデーションを付けないなんて考えられないというところまで、ファンデーションに対する意識を180度ひっくり返したい。素肌まできれいになることで人生を楽しく過ごしていただければと思う」と資生堂ジャパンの杉山繁和社長は新製品に対して自信を見せた。

CMキャラクターには化粧品CM初出演のマツコ・デラックス氏を起用し、全く新しいファンデーションを印象付ける。

17年の就任以来、杉山社長は「肌3分野」と呼ぶ「スキンケア」「ベースメイクアップ」「サンケア」に注力してきた。今回のイノベーションも、その一環といえる。

伸び悩むファンデーション 6割が使用していない

資生堂はスキンケアで、17年に「しわ改善」の効能効果が承認された純粋レチノールを用いた製品を日本で初めて投入し、3ブランドで展開している。「表情プロジェクト」と銘打った商品プロモーションの目的を「しわをなくすことではなく、しわ改善の先にある笑顔だった」と杉山社長は説明する。今回の新技術は、「しわ改善に続くイノベーション。ファンデーション革命として提案する」と杉山社長は意気込むが、なぜファンデーションを選んだのか。

資生堂全体では、この5年間のファンデーションの売り上げは「マキアージュ」など4ブランドが好調ということもあって右肩上がり。ただ杉山社長は「市場が大きく拡大しているわけではない」と現状への不満をあらわにする。

伸び悩みの理由を明らかにするため、15~69歳の女性約4000人に意識調査したところ、ファンデーションを使ったことのない人と、途中から使用をやめた人がそれぞれ3割で、実に6割がファンデーションを使っていないことが分かった。

主な理由は「毛穴が詰まりそう」「肌呼吸しづらくなりそう」。ファンデーションを付けると、肌に悪い影響を与えるというイメージが強いことが分かった。

これまで資生堂は非使用者に焦点を絞った調査をしたことがなかったという。杉山社長は「ファンデを使用していることを前提にマーケティング、開発をしてきた。使用していない人にもどうすれば喜んでもらえるかについて、数年前から考えるようになった」と新技術開発の背景を説明する。

実は今回の調査ではファンデーションを使用している人たちも、ファンデーションにネガティブなイメージを抱きつつ、使い続けている実態が明らかになった。上記のような理由に加え、「ファンデで肌を隠しているのが後ろめたい」「本当は使いたくないがマナーだから」という複雑な思いを抱えていたことが明らかになった。資生堂クリエイティブ本部の富士榮史氏は、「繊細な本音はなかなか聞く機会がなかったのでショックだった」と言う。

これらの調査結果から資生堂が導き出した答えが、ファンデーションへのネガティブなイメージを「付けている間も肌ケアができるというポジティブイメージに転換する」というものだった。「使う気持ちすらポジティブに。ファンデーションを落とした後の肌がきれいだと思えたら、その日1日がいい日だったと思えるのでは」と富士榮氏。

薬用成分配合で「塗っている間も肌ケア」

資生堂はユーザー2万人の実態調査から、ファンデーションを付けている時間は年間で約3500時間にも上ると算出。「その3500時間をスキンケアに使用できたらどんなにいいだろうと考えた」(杉山社長)。

新技術「薬用 ケアハイブリッドファンデ」は、肌をきれいに仕上げるという従来のファンデーションの役割に薬用スキンケア効果をプラスしたもの。新技術を盛り込んだ製品は、医薬部外品になる。「有効成分の高い効果を安定して保ちつつ、仕上がりの良さはそのまま。まさに資生堂が培ってきた技術の結晶」と富士榮氏は胸をはる。

新技術は敏感肌向けブランドの「dプログラム」と、美白ケアブランドの「HAKU」から導入を始めた。

第1弾として18年8月にリニューアル発売したのが「dプログラム 薬用スキンケアファンデーション(パウダリー)」。その結果、売り上げはリニューアル後の半年間で前年比89%増に伸びた。同製品は肌荒れ予防のトラネキサム酸とニキビ予防のグリチルレチン酸ステアリルという2種の薬用有効成分を配合。化粧品でこの組み合わせは日本初とのこと。敏感肌でも使える低刺激設計で、肌荒れで化粧ノリが悪いときにも高いカバー力を発揮するという。

一方、19年3月に発売した「HAKU メラノフォーカス F」はリキッドタイプのファンデーション。薬用美白有効成分の4-メトキシサリチル酸カリウム塩(4MSK)に、整肌・保護成分、保湿成分を配合し、美白ケアをしながらシミや色ムラをカバーするという。

杉山社長によると「ブランドのポジショニングやターゲットとのマッチングを考慮」し、今後は他ブランドでの導入機会を検討していくとのこと。

これまで注力してこなかったファンデーション非使用者へのアプローチは、ある意味ブルーオーシャン戦略の創造と言えるだろう。杉山社長は「市場を活性化し、ファンデーションの使用者を数年のうちに128%まで上げていく」と新技術による展望を明らかにした。ファンデーションを使っている人だけでなく、使用していない人にフォーカスしたことで誕生した新技術は、ネガティブな人たちの先入観を覆すことができるだろうか。

(文・写真 ライター 北川聖恵)

[日経クロストレンド 2019年3月26日の記事を再構成]

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