はじめまして。小幡和輝と申します。18歳、高校3年生のときに和歌山県で起業しました。イベントプロデュースなどを手がける「和」(なごみ)を2013年に創業しました。今は24歳です。この連載では「地方で起業する」という選択肢について書いていきます。
就職ではなく、起業という生き方は都会では少しずつ広がってきました。しかし、地方ではまだ事例も少ないですし、環境も整っていません。初回では実体験をもとにした、学生起業、地方起業のメリットやデメリット、さらに地方で起業するのであれば押さえておくべきポイントについてお届けします。この連載を通じて、地方で学生のうちに起業する人が増えてほしいと思っています。
まずは自分の話をしたいと思います。起業を考えたきっかけは高校3年生のときに企画したイベントでした。高校の文化祭の延長線上のような感覚で、学校の外でチームを作って、同世代の高校生に向けたワークショップを開催したんです。
これが本当に楽しかったんですよね。もっと続けたいと思いました。「じゃあ仕事にしなきゃいけないな。よし。本気でやるっていう覚悟を決めるために会社にしよう」と単純に思い立ったのです。
ビジネスモデルも売り上げの見込みもなかったです。「会社」「作り方」でインターネットで検索して、ためていたお年玉を使って社長になりました。実は会社って簡単に作れてしまうんですね。
もちろん、いきなりはうまくいきませんでした。まったくお金にならないし、どうやって稼げばいいのかもわからなかった。
とりあえずイベントやるという発想しかなかったので、毎月イベントを開いていました。しかし、来てくれるのは同世代の友達ばかり。そんなにたくさんのお金は払えないし、毎回人を呼ぶのも疲弊していきました。
■ホリエモンのイベント開催がきっかけで仕事が舞い込むように
いまから考えれば、イベント以外の事業もあっただろうとは思いますが、このときは本当にイベントを開くことしか頭になかったんです。ただ、やる気だけはありました。
イベントの収入はおおむね参加人数に1人あたり単価を掛け合わせることで算出できます。チケット料金が高くても、たくさんの人が参加してくれてるものってなんだろうと考えたあげく、出した答えは「そうだ!有名人だ!」でした。
本当に安直でしたが、思い立ったが即行動。ホリエモンこと、堀江貴文さんをお呼びすることにしたのです。堀江さんのツイッターに書いてあったメールアドレスにイベントの企画案を送りました。堀江さんはちょうど服役を終えたころで、「ゼロ」という本を発売したばかりでした。「ゼロ」を500冊買い取るので和歌山に来てください!そんなメッセージを送りました。