軽くて吸引強力 2台目に最適なハンディ掃除機10選
個性的なハンディー掃除機が増えてきた。
新生活にお薦めの機種を専門家が選んだ。
海外勢が台頭 個性派ぞろい
いつも近くに出しておいて、気になったゴミやホコリをすぐ掃除したい――。個性的な製品が続々登場し、2台目需要としてハンディークリーナーへの注目が高まっている。1台目はまとめて掃除するときに使い、日々の掃除はハンディー型、と使い分ける「おそうじ巧者」も増えてきた。
ハンディー型は海外ブランドが多い。今回も6製品が海外メーカーだった。小型・軽量な割に吸引力があり、居間や寝室の隅に出しっ放しでも気にならないデザインが目立つ。一方で、安価でシンプルな機種も中国メーカーを中心に出回り、ネット通販などで人気となっている。
吸引力が強く1台目にもなる製品から、卓上を想定したコンパクト型までさまざま。どこで使うか、どんなゴミを掃除したいのかなどを踏まえて最適な機種を選びたい。ダストボックスが小さくゴミをこまめに捨てる必要があるため、捨てやすさもポイント。用途に応じて付け替えるアタッチメントはなくなりやすいので、巾着袋などにまとめ、すぐ探せるようにしておくと良さそうだ。
700ポイント
強い吸引力 他寄せ付けず

吸引力の強さで知られる英国の掃除機ブランド。ハンディータイプの「マットレス」は、通常の掃除はもちろん、ふとんのハウスダスト除去も想定している。V7という名のモーターは最大で毎分11万回転し、強力な吸引力を生む。モーターと充電池を手元に配し、重心の関係で実際の重量ほどには重さを感じない。価格は高いが「吸引力だけではない機能性があり、デザインも体の疲れを感じさせない」(高橋ゆきさん)。
モーターを搭載したヘッドなど付属アタッチメントが充実しており、幅広い場面の掃除に役立つ。白を基調にアクセントを加えたデザインも清潔感がある。
高い吸引力は他を寄せ付けず「強モードではハンディーを越えて使える」(毎田祥子さん)。一方で「フトンツール」には空気を逃す穴を作り、「わざと吸引力を落とす工夫をするなどよく考えられている」(浜田芳治さん)。
(1)コードレス(2)本体重量 1.76キロ(ミニモーターヘッド装着時)(3)リチウムイオン(4)充電時間 3.5時間(5)動作時間 通常30分、ミニモーターヘッド使用時20分、強モード6分(6)約3万1700円

660ポイント
スリムで美しい姿 見える場所OK

米掃除機ブランドのハンディータイプ。5人の専門家が1位に推し、ダイソンに肉薄した。本体は扱いやすいスリムな形状。充電池は持ち手部分に簡単に抜き差しできる。たまったゴミをボタン1つで捨てられ、ダストカップとフィルターは水洗いが可能。充電台は本体を置きやすく、付属の予備電池も充電しておける。グレー、シルバー、ライムストーン、ブロンズと4色が用意されている。
見かけの印象を上回る吸引力を評価する声が多数。「小さいながら吸引力がある。充電台に納まっている姿も美しい」(戸井田園子さん)。「アタッチメントが取り付けやすく、ふとんから衣類のホコリまで手軽にきれいにできる」(神原サリーさん)
掃除機としての基本性能を確保しつつ「『見える場所に出しておきたくない』との印象を取り去っている」(浜田さん)。
(1)コードレス(充電台付属)(2)620グラム(3)リチウムイオン(4)2.5時間(5)24分(充電池2個使用時)(6)約1万8300円

550ポイント
重心に工夫 手首の負担軽く

コーボルトはドイツの掃除機メーカー、フォアベルク社のブランド。手首の負担を軽くするため重心が工夫されており、快適に使えるのが特徴だ。「ゴミを見つけたときに手に取りやすいサイズと重さ」(石井和美さん)など、プロダクトデザインの完成度が支持された。
充電台は床置きのほか、壁にねじ止めすれば本体をぶら下げて収納することもできる。横向きにも置けるデザインだ。本体はリサイクル可能なプラスチック製で、側面の発光ダイオード(LED)は光の動きで充電の状態を表示する。強弱2段階の運転モードがあり、「スタイリッシュなデザインの割に吸引力は十分。壁掛けが可能な家ならおしゃれに収納・充電できる」(安蔵靖志さん)。
(1)コードレス(充電台付属)(2)650グラム(3)リチウムイオン(4)4時間(5)ブースト9分、通常15分(6)約1万3000円

490ポイント
付属パーツでスティック型にも

3月15日発売の新製品。水筒やドライヤーのようなスリムな形状が特徴的だ。「ハンディ&スティック」をうたい、吸い込み口に延長管を取り付ければ、スティック型としても使える。「一人暮らしにもよさそう」(安蔵さん)。高さ30センチ強とコンパクトだが「文句ない吸引力。狭い場所はもちろん、床もサッと掃除できる」(石井さん)。
付属の「たてよこノズル」は自在に角度を変え、狭い隙間、広い場所に対応する。グレー、赤系、緑系の3色。ストラップが付き、つり下げて収納できる。充電池は自分で交換できる。
(1)コードレス(2)530グラム(3)リチウムイオン(4)4時間(5)HIGH7分、LONG30分(6)約2万6800円
400ポイント
吸水ノズルで液体も対応

スウェーデンの世界的家電ブランドによる乾湿両用ハンディー機。吸水ノズルを装着して液体を吸い取ることができる。吸い込み口の下にフロントホイールがあり、卓上などを滑らせるように軽い力で掃除できる。「持ちやすく、吸引力があり、排気が少ない。バランスが良い」(毎田さん)
音が多少気になるが「かけた後の仕上がりは満足できる。2台目にいい」(矢野きくのさん)。アイロンのように本体を充電台に横置きするスタイル。台は角度を5段階に調節できる。
(1)コードレス(充電台付属)(2)1キロ(3)リチウムイオン(4)4時間(5)最大10分、通常14分(6)約1万1700円
330ポイント
ふとん掃除機から切り離し

キッチン家電、生活家電などを展開する国内メーカーが開発した「2WAYハンディ&布団クリーナー」。UV除菌ランプ照射・たたき機能付きのふとん掃除機部分はエイのような形状で、「着脱もトリガーで簡単にでき、操作性は良好。ふとんケアも考えている人には魅力的」(戸井田さん)。「コード付きのため吸引力はしっかりパワフル」(安蔵さん)。ダストボックスも大きい。「1台で暮らしのほとんどの場面に使える。ゴミ捨てもストレスがない」(藤原千秋さん)。本体用隙間ノズルが付属する。
(1)電源コード(4.5メートル)付き(2)2.1キロ(ふとん部含む)(6)約9900円
320ポイント
コスパ最高 単身ならこれ1台

4月下旬に発売予定の新製品。長さ4.5メートルの電源コード式で、吸引力は十分だ。時間を気にせず使える。床やじゅうたんなどに使う幅広のフロアブラシ、ソファやエアコンに向いた小型ブラシなど、「必要最低限のアタッチメントがそろっている」(高橋さん)。単身世帯など「メイン機としての機能も十分」(藤原さん)で、「コストパフォーマンスは最高」(向谷文臣さん)。
収納時はフロアブラシを付けた状態で直立して置くことができる。延長パイプを付けてスティック型掃除機としても活用できる。
(1)電源コード(4.5メートル)付き(2)1.3キロ(6)約5400円
270ポイント
ペットボトルサイズ 卓上に

高さ24センチ、直径6センチのペットボトルサイズで、手になじむデザイン。「部屋の掃除には向かないが、消しゴムのカスや食べこぼしをサッと吸い取るのに重宝しそう」(毎田さん)
使わないときはブラシを吸い込み口の内側にスライド収納できる。生活感が薄いつるっとしたデザインのため、卓上など目に付く場所にも常時置いておける。「新時代的ハンディー。安価な点も評価できる」(藤原さん)。ゴミはワンタッチで触らずに捨てられる。
(1)コードレス(充電台付属)(2)360グラム(3)ニッケル水素(4)8時間(5)8分(6)約4600円
270ポイント
ウサギのようなユニークデザイン

電動工具メーカーとして有名な米国のブランド。掃除機も数多く手掛けている。変形ロボットのような球形デザインがユニークだ。ハンドルを持ち上げると吸引ノズルが同時に開き、ウサギの耳のようなフォルムに。格納ボタン1つでともに収納される。「小さく、掃除機のように見えないデザインが魅力。ホコリや髪の毛を見つけたときにすぐ吸える」(石井さん)
雑貨のようだが、「吸引力があり、ノズルの幅も広いので使いやすい」(向谷さん)。パソコンのキーボードなどの掃除に向いた極細すきまノズルも付属している。青、黒、赤の3色を展開。
(1)コードレス(充電台付属)(2)640グラム(3)リチウムイオン(4)4時間(5)9分(6)約6200円
250ポイント
簡単な構造 ゴミ捨てやすく

中国メーカーが手がける乾湿両用のハンディークリーナー。「構造が簡単なのでゴミを捨てやすい」(矢野さん)。アタッチメント類と一緒に付属の収納バッグに入れ、自動車内などにも置いておける。「驚くほど軽く、持ちやすい。コストパフォーマンスはとても良い1台。女性も使いやすい」(神原さん)
価格相応の吸引力だが、ダストカップやフィルターの掃除はラク。日本語による電子メールのサポート窓口もある。
(1)コードレス(2)445グラム(3)リチウムイオン(4)4時間(5)20分(6)約3000円
◇ ◇ ◇
ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。メーカーまたはブランド名、製品名・型番。(1)電源コードの有無(2)本体重量(3)充電池の種類(4)充電時間(5)動作時間(6)価格の目安(3月中旬、東京都内の店頭価格例)。7位はメーカーの想定実勢価格。10位はアマゾン・ドット・コムの販売価格。写真は高井潤撮影。モデルは井上真由子。
調査の方法 家電量販店やネット通販で買えるハンディークリーナーを、メーカーの推薦も加え20機種選定。家電や家事の専門家が実際に使い、機能や使用感、吸引力、デザインなどの観点から、2台目や単身者にお薦めの機種を10位まで挙げてもらい、集計した。ゴミのサンプルはパン粉、毛糸クズ、綿クズ、せんべいクズ、ペット用のトイレ砂。
今週の専門家 ▽安蔵靖志(IT・家電ジャーナリスト)▽石井和美(ライター・家電プロレビュアー)▽神原サリー(家電+ライフスタイルプロデューサー)▽高橋ゆき(家事研究家、ベアーズ副社長)▽戸井田園子(家電&インテリアコーディネーター)▽浜田芳治(プロダクトデザイナー・多摩美術大学教授)▽藤原千秋(住生活ジャーナリスト)▽毎田祥子(家事アドバイザー)▽向谷文臣(晋遊舎編集局家電批評編集部)▽矢野きくの(家事アドバイザー)=敬称略、五十音順
[NIKKEIプラス1 2019年3月30日付]
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