中古スマホ「お薦めはドコモiPhone」 その理由は?
格安SIM最前線
新品のスマートフォン(スマホ)より安価で入手できる中古スマホ。数年前の旧機種でも性能的に不満がないという人の中には、中古スマホと格安SIMを組み合わせることで、通信費を抑えたいと考えている人もいるだろう。だが、この組み合わせを使う場合、注意が必要だった。自分で購入した端末以外はSIMロック解除ができないという制約があったのだ(SIMロック解除については記事「今のスマホに格安SIM入れて家計節約 手順と注意は?」参照)。
しかし、先日、NTTドコモがSIMロック解除に関して「自分で購入した端末であること」という条件を廃止した。この変更でスマホや格安SIMにあまり詳しくない人にとって魅力を増したのがドコモのiPhoneだという。格安SIMを見続けている松村武宏氏が解説する。
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SIMロックがかかった端末でも、中古スマホが利用していたネットワークに相乗りする格安SIMであれば使うことができる。
そういう意味では格安SIMで利用されるケースが多いドコモは、これまでもau、ソフトバンクに比べると選択肢が広かった(格安SIM各社が利用しているネットワークについては記事「格安スマホは個性知って選べ 上位8社の特徴は? 」参照)。
しかし最近ではドコモ以外のネットワークを利用するキャリアも増えてきた。格安SIMのなかでも通信品質に優れる「ワイモバイル」や「UQ mobile」は、それぞれソフトバンクとauのネットワークを使っている。より良い通信環境を求めてこうした格安SIMに乗り換えようと思っても、ドコモのSIMロックがかかった端末では使えない。
海外旅行などで現地のSIMカードを入れて使おうという場合もSIMロックを解除する必要が出てくる。また格安SIMを提供する会社は個性的なサービスを提供している会社も多い。将来魅力的なサービスが登場したときに再び乗り換える可能性も考えると、SIMロック解除をしておくに越したことはない。
そういう意味で、今回、ドコモがSIMロック解除に関して「自分で購入した端末であること」という条件を廃止したのは、中古スマホを選ぼうと考えている人にとってうれしい変化だといえる。
市場に流通している中古端末のSIMロック解除に対応しているのは、現時点ではドコモのみ。au、ソフトバンクは対応しておらず(19年4月9日現在)、NTTドコモの中古スマホを選ぶメリットは大きい。中でもお薦めなのが、中古のiPhoneだ。
ドコモ版の中古iPhoneに注目
なぜiPhoneがお薦めなのか。それは中古スマホの場合、SIMロックを解除しても、満足に使えない場合があるからだ。
大手キャリアの端末には自社のネットワークに特化している機種が多い。こうした機種では、他社のネットワークが使っている電波の周波数帯すべてには対応していないため、エリア内でも電波が常に弱かったり、圏外になってしまったりすることがあるのだ。
ただしiPhoneはその心配がない。国内外で広く販売されているiPhoneは、大手キャリア3社のネットワークすべてに対応しているからだ。
ドコモ版の中古iPhoneも、15年9月に発売された「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」以降のモデルであれば、SIMロックの解除が可能だ。最初からSIMフリー版として販売されているiPhoneと同じように、好きな格安SIMと組み合わせられる、自由度の高い中古スマホとして重宝するだろう。
15年5月以降の機種ならオンラインで
解除方法は、端末が発売された時期によって異なる。11年4月から15年4月の間に発売された機種は、ドコモショップで解除できる。手数料は1台当たり3240円で、1回の受付で2台までという台数制限がある。
15年5月以降に発売された機種なら、お薦めはオンラインでの手続き。「ドコモオンライン手続き」のWebサイトでも手続きができるのだが(※利用には「dアカウント」が必要)、オンライン手続きでは手数料が掛からず、台数制限もないからだ。
なお、SIMロックが解除できる機種のラインアップそのものは変更されていないため、アップルの「iPhone 6」(14年9月発売)のように、11年4月から15年4月に発売された機種のなかにはSIMロックを解除できないものがある。
1979年、長野県生まれ。国立長野工業高等専門学校・電子制御工学科を卒業後、ものづくり・接客業を経てライターの道へ。わが子の成長を見守るかたわら、信州佐久からモバイル情報を発信中。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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