日経エンタテインメント!

19年もミュージカルを中心に出演作が目白押しだ。2月23日からは『ロミオ&ジュリエット』で3度目となる主演のロミオ役を、6月からは『エリザベート』のトート役で、3カ月に及ぶ帝劇ロングラン公演が控えている。

「今年は『トートの1年』ですかね。『ロミジュリ』は3回目なので、高い精度が求められていますし、当然これまでで1番のものを見せなきゃいけない。座長としての居方は人それぞれですが、みんなでワイワイしながらチームワークを高めていくというのは僕にはできないので、稽古場での姿勢であったり、舞台の上で演技や表現など背中を見せてみんなを引っ張っていけるのが理想ですし、そうでありたいなと思っています。

そして、初めて挑戦させていただくトートはすごく思い入れの強い役です。実はずっと憧れていた、ミュージカルの最終目標にしていた役なんです。いつかトートをやれる役者になりたいと密かに思っていたので、こんなに早いタイミングでやらせていただけるとは思ってもいませんでした。でもせっかく恵まれたチャンスなので、先延ばしにする必要はないなと。

ビジュアル撮影はエリザベート役の花總まりさんと一緒にさせてもらい、衣装を着て、いよいよだなという気持ちになりました。

ルドルフ役で『エリザベート』に初めて出演した24歳のとき、出番のない時間ずっと袖で舞台を見ていて、先輩方のトートに魅了されながらも、『僕だったらこう演じる、こうする、こうやろう』って決めていたんです。トートの演じ方って無限にあるので、稽古ではすごく悩むと思うし、実際どういうトートになるのか分からないですけど、全力で挑むしかない。次の目標は、『エリザベート』が終わった後に見えてくれば」

理想よりは、もっと柔軟に考えて

作品や役への質問に答える姿は、真面目でストイックな印象だが、ふと見せる笑顔は少年のような面影も感じさせ、そのギャップも魅力的な古川。最後に、役者としての今後の展望を聞いた。

「昨年ドラマ『下町ロケット』で久々に映像に出させてもらって、楽しかったと同時にすごく刺激にも勉強にもなりました。自分に足りないものも見えてきたので、これからもいろいろなことをやっていきたいです――先ほどお話しした通り、限界を決めてはいけないということは『モーツアルト!』で改めて実感したので、与えられたものに対して諦めず、100%の力で挑戦して、自分の可能性を自ら広げていけるような俳優になりたいです。

人生って何が起こるか分からないって思っているんです。人前で歌を歌うなんて思ってもなかったけどアーティストとしてデビューして、しかも10年続いていて。ミュージカルに出るなんて想像もしてなかったけど、それがきっかけとなって新しいチャンスもいただけたりして。だから何が起こるか本当に分からないんです(笑)。ここを目標、こうしたいという理想よりは、もっと柔軟に考えて、アンテナを常に張ってチャンスを逃さないようにしていきたいです」

(ライター 山内涼子)

[日経エンタテインメント! 2019年3月号の記事を再構成]