一方で上司側からすればなるべく高い目標を立ててほしいわけです。だから少なくとも昨年よりもプラスアルファの目標にしてほしい、という指示がされるでしょう。けれども評価される側として、さまざまな言い訳をしてそれを回避しようとします。「環境変化が著しく、昨年並みの売り上げも難しい」「顧客の担当者が変わってしまったので一から関係を築かなければいけない」などなど。

しかしここでシンプルな方法を使うことで、高すぎない目標設定が可能になります。

それは、一人ではなく、チームの複数メンバーで目標を共有することです。

そのためには前提として「組織目標」が共有されていなくてはいけません。組織目標が共有されていれば、そのチームに属する人たちが何を担当すべきかがはっきりと見えてくるはずです。

たとえば仮に組織目標が1億円の売り上げだとして、課長プラス4人の部下がいるとすれば、一人あたり担当すべき売り上げは2000万円です。ただしそこでベテラン/新人とか、能力が高い/低いといった条件がありますので、そのような条件を踏まえて、チームで話し合います。実際にあった例でいえば、課長がプレイングをやめてマネジャーに徹する前提で、一人あたり売り上げは2500万円。さらに経験を踏まえて、4人にそれぞれ3000万円、2700万円、2400万円、1900万円、といった配分を行ったものがあります。高すぎる目標に見えるかもしれませんが、課長がプレイングをやめるので、課長が持っている顧客をチームメンバーに配分することも決めたうえでの対応です。

このような整理をした場合、その目標数字には上司側の納得性もあります。また評価される側としても、自分だけ高い目標にされた、という損失感も軽減されます。

結果を見てから不満を言っても改善されない

人はどうしても評価に対して満足したり、不満を感じたりするようにできています。しかし高い評価を得るためには、結果が出てからでは遅いのです。

むしろ期初に上司としっかりと合意し、チームメンバーとの協力体制を築き上げなければいけません。

そして最も重要なことは上司や同僚を含めたチームメンバー全員で「組織目標」を達成することです。そうすれば、目標達成に貢献した一人一人の評価も十分に高くなるはずです。

これから期初を迎え、目標を設定する皆さんはぜひこれらの行動をこころがけてみてください。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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