だがフィットイヤーのライブ専用イヤープラグをライブで提供するアーティストも増え始めている。記事「大音量から耳を守れ ライブ専用の『耳栓』が広がる」で記したように、サカナクションは2018年10月から開催中の全国ツアーで、観客に「ライブ専用イヤープラグ」の貸し出しを実施している。アイドルTask have Funのライブや、夏フェス「SUMMER SONIC」のグッズとしても販売された。サカナクションのツアーで使用した来場者からも「装着していても普段と同じように音楽が楽しめた」と好評だったという。

須山さんもアーティストからの発信に期待している。「音楽はその表現のため、時としてある程度大きな音も必要です。聴覚保護を考える上で、単に表現を抑制するのではなく、個人個人異なる耳の感度に配慮する。アーティストがライブ用イヤープラグについてMCで触れたり、グッズとして取り扱ってもらえると、ファンは『あ、使ってもいいんだ』と思えるし、つけている人への理解も深まります。現在は過去に聴覚への不安を感じた経験のあるアーティストの方々に関心をお持ちいただいていますが、参加するファンの『耳』にも配慮し、安心してライブ楽しめるライブを提供する、という姿勢がより浸透していけばと考えています」

現在、フィットイヤーのライブ専用イヤープラグはパッケージをアーティストごとに変えているが、製品自体のカラーを変えたり、ロゴを入れたりすることも可能だという。グッズとしての側面が強まることで、普及はさらに進んでいきそうだ。

左からアイドルTask have Fun、サカナクション、「SUMMER SONIC」を主催するクリエイティブマンとのコラボパッケージ。今後はパッケージだけでなく、本体にアーティストカラーやツアーロゴを採用したものが出てくるかも

(文 小沼理=かみゆ、写真 スタジオキャスパー)