沖縄の器に映える仏料理 夫婦で知恵(九州味めぐり)仏料理「プチット リュ」

日本経済新聞西部夕刊

那覇市にある「プチット リュ」は「沖縄の食材を沖縄の器で楽しむ」がコンセプトのフレンチレストラン。新屋健一さん(44)、麻衣子さん夫婦が営む。11年間続けたビストロを4カ月前に移転。フランス伝統料理を基本にしつつオリジナリティーある一皿を提供する店に転換した。

イラスト・広野司

沖縄の食材は力強く個性的なものが多い。そうした魅力をフランス料理の味つけや技法を用いて伝える。メニューはコース1種類(5500円から)のみ。「2人で知恵を出し合いながら季節ごとに内容を変えている」という。

今は春のコース。アミューズ、スープ、前菜3皿と続き、メインは4種類から選べる。一番人気の「やんばる島豚肩ロースのソテー」で使う豚は、沖縄在来のアグー豚と西洋黒豚の掛け合わせ。肉の上品な甘みを仏産粒マスタードのソースが引き立てる。

総じて優しく繊細な味わいだが、香りのある野菜やフルーツ、ハーブやスパイスで味に変化をつけ、複雑さや意外性も感じさせる。盛りつけはアートのように色彩豊か。とりわけ夫人が担当のデザートは、ピンクや淡い紫などのパステルカラーが春らしい。

器は沖縄伝統焼き物の「やちむん」。趣味で選んだ市販品にどんな料理を盛りつけるか考えたり、親しい陶工に自分たちの料理に合う皿を焼いてもらったりする。夫婦ともにソムリエでワインもバラエティーに富む。

(唐沢清)

〈ぷちっと りゅ〉那覇市松尾2の17の32 電話098・863・0716

九州 味めぐり」では食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。
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