薄型軽量、バッテリー搭載も 春のビジネスリュック
気分一新! 春の新作&軽快ビジネスバッグ(上)
「4月から始まる新生活に向けて、気分一新、ビジネスバッグを買い替えたい」。そんな人のために、注目のビジネスバッグをタイプ別に紹介していく。第1回に取り上げるのは、人気ブランドの新作ビジネスリュック。いずれも機能的で使いやすい、春のビジネスバッグの本命だ。
エース/VAIOと新たなPC収納構造を開発
最近、ビジネスリュックの傾向が変わりつつある。バッグメーカー大手エースのマーケティング部広報・PR担当の森川泉氏によると「スクエア型や薄マチといったシャープ&スリムなタイプの人気が高まっている」。背景として「電車内で邪魔になりにくい」「モバイル端末の普及などで書類等の荷物が少なくなった」などの理由が考えられるという。「荷物が多いわけではないけれど、楽なのでリュックを持ちたいという人も増えています」
エースの新作「デュラテクトV」もスクエア型の薄マチ仕様になっている。注目すべきはPC収納部。PCメーカーのVAIOの意見をもとに独自開発した「V-リフトフレーム」構造を搭載した。
PC収納部にはウエットスーツなどに使われ、軽くて緩衝性に優れたネオプレン素材を採用。伸縮性があるため、厚みのあるPCから薄型PC、タブレット端末までしっかりフィットする。さらにユニークなのはその構造。PCがバッグの底やサイドに当たらない位置に配置できるようになっている。そのためPCはバッグの中で浮いている状態なので、落下時の衝撃が伝わりにくく、背中を丸めても負荷がかかりにくいという。
さらに、このPC収納部は手前に引き出せる構造になっていて、PCを取り出しやすいのも魅力。PCを真っすぐ出し入れできるので、曲げによる負荷も抑えられるそうだ。
2019年2月中旬に発売したばかりだが、「30~40代の男性を中心に幅広く支持され、当初計画以上の好調な売れ行きを見せている」(森川氏)。カバンにはいつもPCが入っているという人にとって注目の新作リュックだ。
ポーター/薄型モバイルバッテリー搭載
ビジネスシーンで活躍するモバイルバッテリー搭載リュックサックが登場。ソフトバンクC&Sが取り扱う次世代バッテリー技術「Power Leaf(パワーリーフ)」を採用した固体電池「Ceramic Battery Board(セラミックバッテリーボード)」が付属する。
3550mAhのバッテリーは約4.7mm、約250グラムと薄型・軽量が特徴。切断しても発火や液漏れが発生しない、高い安全性を備えているという。
バッテリーはリュック背面の独立したポケットに収納し、上部ファスナーからケーブルを引き出して使う。ケーブルはショルダーハーネス部に位置するコントローラーに接続して、スマートフォン(スマホ)を充電する仕組みとなっている。コントローラーにUSBポートと電源スイッチを搭載しているため、バッテリーをバッグから取り出さなくても、バッテリーの充電やスマホへの給電ができる。ケーブルはショルダーにはわせる構造なので、取り付けが簡単でデザインもすっきりとしている。リュックをより軽く使いたい場合はバッテリーを取り外すことも可能だ。
内装はポーターらしいレスキューオレンジ。メインコンパートメントにクッション入りのPC収納ポケットを搭載する。外装の素材には上品な光沢を持つナイロンツイルを使用。表面にテフロンファブリックプロテクター加工を、裏面にPVC(ポリ塩化ビニール)加工を施しているため、水や汚れにも強い。
「限られた店舗での展開で、決して安価ではありませんが、順調な実績を残せています」と話すのは、吉田カバン広報部マネージャーの阿部貴弘氏。30~50代の男性ビジネスパーソンに支持されているという。「普段は当社のブランドに興味がないお客様にもご購入いただいている商品で、海外のお客様にも好評です」(阿部氏)。このリュックなら、外出先でスマホの電池切れに頭を抱える心配もなくなるだろう。
サムソナイト/シーンを選ばぬ薄マチ・軽量モデル
ビジネス、カジュアル、デイリーユース、トラベルといった、さまざまなシーンに対応するサムソナイトの「BiDirect(バイディレクト)」。2019年2月にスタートした新シリーズで、バッグ前面にレイアウトされた2つのファスナーが、シリーズ共通のデザインとなっている。
フロントポケットは、このファスナー左右から同じ荷室にアクセスできるため、利き腕に関係なくスマートに荷物の出し入れが可能。フロントポケット内には複数のメッシュポケットがあり、実用性も高い。
ビジネスシーンで使いやすいスクエア型。10cmと薄いので、電車内でも持ちやすい。また薄マチながら自立するため、荷物の出し入れが容易。メインコンパートメントにはPC収納用ポケットも搭載している。
主素材にははっ水性・耐摩擦強度に優れた高強力ナイロンを使用。フロントパネルには、表面にキズが付きにくい強化ポリウレタンコーティング素材を使用するなど、耐久性にも優れている。それでいて0.8kgと軽い、まさに春にぴったりのビジネスリュックといえるだろう。
2月に発売したばかりだが、30代を中心に20~50代まで幅広い層に好評だという。サムソナイト・ジャパンのマーケティング部マーチャンダイザー、重村誠一氏はこの人気について「既存のリュックにはなかったコンセプトとサイズ感が支持されている」と分析する。ビジネスカジュアルで通勤が可能な職種から高い支持を得ているそうだ。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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