powered by 大人のレストランガイド

東京駅は点心激戦区 香港・台湾・四川の人気3店

茶芸師によるパフォーマンスも名物

最後は新丸の内ビルディングにある「四川豆花飯荘」だ。シンガポール発祥の中国料理店で、マーボー豆腐やエビチリ、よだれ鶏(辛いタレをかけた鶏の前菜)などの四川料理と「茶芸師」がダイナミックに注ぐお茶が有名だ。

この店には点心師が作る小籠包や焼売、春巻きもあるが、同店ならではの点心は「四川伝統水餃子(ギョーザ)」(6個1080円、税込み・サービス料別)だ。もちもちした水ギョーザにたっぷりかかっているのはとびっきり辛いタレだ。この味が実に複雑で奥深い。最初のひと口は具入りラー油のような甘みのある辛さだが、飲み込むとビリビリ、ヒーヒーする刺激感が広がり、額や首の後ろから汗が吹き出てくる。

「四川豆花飯荘」の「四川伝統水餃子」(左)と「四川伝統ワンタン」

それを茶芸師が注ぐ名物の八宝茶で鎮めるのだが、ジャスミン茶に菊花、クルミ、氷砂糖など8種の素材がブレンドされていて、本当においしい。飲むと先ほどの熱さが徐々に引いていき、この辛さと甘みの繰り返しが病みつきになってくる。

「日本人は辛い料理を食べた後、冷たい水を求めてしまいますが、中国では温かく甘いお茶で鎮めるのが一般的です。当店の茶芸師は単なるパフォーマーではなく、四川省で茶の国家資格を取得した専門家で、料理に合わせ、また体調も整えるような八宝茶の配合を考えています」(支配人の塚田雅佳氏)

ちなみに四川料理は辛いメニューばかりでなく、地元の家庭料理を中心にまろやかで優しい味わいのものもたくさんある。同じ点心でも「四川伝統ワンタン」(6個入り972円、同)はダシとほどよい塩気がきいたスープに、ツルツルのワンタンが浮かび、マイルドな口当たりだ。

JR東京駅周辺の点心はバラエティー豊かで、昨春開業して現在も行列が絶えない香港の「添好運(ティム・ホー・ワン)」(東京・日比谷)も徒歩圏内にある。今日はどの店にしよう、と選ぶ楽しさもあり、このエリアの点心ウォーズはさらに熱を帯びてきそうだ。

(フードライター 浅野陽子)


メールマガジン登録
大人のレストランガイド
メールマガジン登録
大人のレストランガイド