MONO TRENDY

私のモノ語り

橋本愛 ロルバーンのノートで気付いた書くことの魔力

2019/2/8

ノートに書き出してからは、謎が面白いようにひもとかれていく。マトリョーシカの一番奥にある顔を見るために、蓋を開け続けていく感覚です

「脳が起きる」「頭を整理する」といった言葉が印象的。女優の仕事に「頭脳」は大切なのか。

「私の場合は、理論や仕組みがわからないとアウトプットできないんです。その理解を感覚でするときと、体でするときと、頭でするときがあって。頭を集中して使っているときは本当、知恵熱がでますね(笑)。以前は感覚を使う割合が多かったので、手をつなげていない部分が出てきてしまっていたんです。だけどノートに書き出してからは、謎が面白いようにひもとかれていく。マトリョーシカの一番奥にある顔を見るために、蓋を開け続けていく感覚です」

■「21世紀の女の子」で21歳の女性監督とタッグ

2019年2月8日公開の出演映画は「21世紀の女の子」。若手のトップランナー・山戸結希監督が企画・プロデュース。15人の女性監督が短編を競作したオムニバスムービーだ。橋本さんは松本花奈監督の「愛はどこにも消えない」に主演し、性に関する衝撃の事実を知って失恋した女性・チカコを演じている。

映画を見終わった後に、「21世紀の女の子」っていうタイトルの神髄が見えてくる。映画の持つ特別な力と、まだ映画で新しいことがいくらでもできるんだという希望を感じて、胸がいっぱいになりました

「もともと山戸監督のファンだったので、作品に携われることがうれしく、興奮しました。松本監督の脚本を読んだときに、『これは今、絶対にやりたい』と思いました。青春というものや、おとなになりきれない子供の部分など、何かに片足突っ込んだまま揺れているチカコちゃんに強いシンパシーを感じたからです。

演じる上で難しかったのは、チカコの『好き』という気持ちの種類。彼女が彼を好きなのは、彼が自分のことを好きだから、という、簡単には落とし込めない好きの種類の持ち主だったので、てこずりました。ふに落ちたのは、実家に帰ってじゅうたんを見ていたとき。『ああそうか!』とひらめいたのですが、つかんでもするっと逃げてしまいそうなくらい繊細な感情だったので、急いでノートに書き留めたのを覚えています」

松本花奈さんは自主制作映画を岩井俊二監督らに認められ、ドラマ『恋のツキ』やHKT48のミュージックビデオなどを監督している21歳の女子大生監督。23歳の橋本さんにとっては、初の年下監督となる。

脚本では起承転結が整ったストーリーだったのですが、それが編集でぐちゃぐちゃになって、想像とは違う詩のような作品になっていました。これはしてやられたのか、それとも作っていく中で自然とそうなっていったのか。監督の底のなさに刺激を受けました

「年齢のことは知らなかった……というか気にしていなかったので改めて聞くと驚きますが、松本さんは心強かったです。役やシーンについてどんな質問をしても、必ず具体的な答えが返ってくるんです。その隙のない作品への態度に感動しました。劇中のモノローグを、収録当日までずっと直し続けていたのも印象的でしたね。台本をもらうたびに『ああ、今日はこの言葉なんだ』と変化が見える。有限の時間と無限の可能性のはざまで闘いながら、未完成のまま進んでいく現場がとても好きでした」

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