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自分で動く若手営業の育てかた

「むやみな営業、顧客に迷惑」動かぬ若手を変えるには リクルートマネジメントソリューションズ 的場正人

2019/2/7

■なぜ東さんは納得しないのか?

ここで東さんの言い分を聞いてみましょう。

「神田さんは、私がただ怠けて訪問しないように誤解しているようですが、ちがうんです。さっき伝えたことは本当なのに、どうしてわかってもらえないんでしょうか」

東さんは神田さんに、「やみくもに訪問する意味がわからない」「お客様に迷惑になるのではないか」と言っています。足が止まっている理由はここにあるわけですから、この2つがクリアになり、納得さえすれば、足が動くようになるはずです。

営業で断られるのはつらいが……。写真はイメージ=PIXTA

神田さんから見ると、「理屈っぽい」「面倒くさい」かもしれませんが、ここをていねいにやらないと先には進みません。行動することが、お客様への提供価値につながる。それを東さんが納得するまでていねいに説明し、納得してもらうことが第一歩なのです。

神田さんは、再び東さんを呼び出して会議室で面談することにしました。

「このあいだ東さんは『やみくもに回る意味がわからない。お客様に迷惑になるのではないか』と言っていたよね。あのとき僕は、それに答えないで『そんなことはいいから、とにかく回れ』って言ってしまった。でもよく考えたら、東さんの疑問はもっともだと思ったんだ」

そして神田さんは、自分が新人だったときの話を始めました。

■断りの言葉に隠された真意

「実は私も、新人時代は全然商談にならず、断られてばかりいたんだ。1日30~40件くらい飛び込み訪問を続けていたんだけど、9割以上は門前払い。本当に売れなくて途方に暮れる毎日だった。でもその断られ続けた日々がいまの自分の成長の原点になった。

何十件も断られるうちに、断る言葉にもパターンがあることに気付いたんだ。『うちはそんなの必要ないからいらない』『お金がなくて買えないからいらない』『そんなのあっても使いこなせないからいらない』とね。

最初は営業都合で考えて、そんなこと言わずに少しは検討してくれればいいのにとか思っていたんだけど、あるとき『お客様はどんな気持ちで断っているんだろう?』とお客様の立場で考えてみたんだ。

『必要ないからいらない』の場合は、別に困っていないんだから、うちの製品は必要ないかもしれない。でも、『お金がないから』『使いこなせないから』という理由を挙げて断っているというのは、本当は必要性を感じているけど、この問題があるから必要ないと言っている。裏を返せば、この問題をクリアすれば導入を検討していただける可能性もあるということだ。

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