実話だからこそ面白い『いだてん』 悲哀や挫折にも光

日経エンタテインメント!

『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(日曜20時/NHK総合)

ドラマは金栗と田畑の人生がクロスして展開する。2つの時代をつなぐのが、ビートたけしがふんする「落語の神様」、古今亭志ん生の存在だ。青年時代の志ん生・美濃部孝蔵を森山未来が演じ、金栗・田畑の人生を志ん生の視点で追っていく。「ゴールが64年の東京オリンピックの開会式と決まっていて、キーマンとして金栗さんと田畑さんは外せない。宮藤さんと相談して、主人公を2人立てた構成になりました」と語る。

近現代の話だけに残っている映像も多い。可能な限り、当時のニュース映像なども入れていくという。また、演出には映画監督の大根仁も参加する。「今回は素材が新鮮であると同時に手ごわい。VFXや合成技術も取り入れるので、大河で培ってきたこととは違うルーツからの映像ノウハウも入ってきたほうが、よりダイナミックになるのではと考えました」。第1話では日本橋に建設中の首都高なども映し出される。明治から昭和30年代まで、東京がどう変化していったのかが分かるのも、本作の見どころの1つだ。

豪華な俳優陣も注目されている。左で紹介した金栗周辺の面々のほか、後半の田畑周辺の人物には、星野源、松坂桃李、松重豊らの起用が発表された。

時代やスタイルはこれまでの大河ドラマとは一線を画すが、放送中に元号が変わり、2020年の東京オリンピックも目前となるタイミング。『いだてん』というタイトル通り、疾走感のある物語が展開する。

(ライター 田中あおい、内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2019年2月号の記事を再構成]

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