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パリに専門店、鎌倉でレッスン 花開くBENTO文化

「BENTO&GO!」の「Bento Poulet teriyaki(鶏の照焼き弁当)」(12ユーロ/約1500円) メインのテリヤキチキンにサラダや卵焼きを添えた

立花さんは2017年、ルーヴル美術館や高級店が立ち並ぶパリ1区に2号店を構えた。「和食だけでなく、ハンバーグやエビフライなど、日本の日常の食卓に並ぶ、洋食も含めたリアルな和食も弁当に取り入れていきたいですね。いつか和食と日本酒を楽しめる立ち飲み屋もパリでやるのが目標です」と立花さんは意気込む。

ひと昔前なら外国人が思い浮かべる和食といえば、すし、天ぷら、しゃぶしゃぶなどだった。しかし今ではラーメン、ギョーザ、お好み焼きなどを目当てに日本を訪れる外国人も多く、弁当(BENTO)が和食の一つだということを知っている外国人も少なくない。

ただその理解のされ方はさまざまで、「小さなおかずがたくさん箱に入っているもの」と懐石料理の延長ととらえる人もいれば、「ご飯をボールにしたもの」とおにぎりと混同している人も。一方、欧米では「栄養バランスのいいもの、子供向けのランチコンセプト」という見方もあり、「わが子のためにヘルシーなランチを」とBENTOレシピを紹介する米国人ブロガーもいる。

そんな中、外国人向けに和食の調理体験を提供しているのが「M&M Kamakura Bento Cooking」(神奈川・鎌倉)だ。

弁当料理レッスンは英語で行われるので、外国人だけでなく英語を楽しく学びたいという日本人が参加することも

海外暮らしと飲食関連の仕事の経験がある松野玲子さんと峯島洋子さんは、外国人に人気の観光スポット、鎌倉に住むメリットを生かし、自宅で外国人向けの弁当教室を英語で開催している。「外国人向けの料理体験コースの多くはすしづくりなので、すし+弁当で差別化してみました。フランスでBENTOが流行っていると耳にしたのもきっかけの一つです」と松野さん。

参加者は「ターキーでラーメンスープをつくってみた」という米国の大学生や、アニメで見たBENTOを作りたいというイスラエル人兄弟など、国籍は様々だ。「でも一番多いのはフランスの方ですね。和食を習いたい!と本気モードでいらっしゃるし、弁当のこともよくご存じで、最近は自国のスーパーなどでも売っていると話していました」(松野さん)。小さな箱の中におかずがいくつも入っているので、一度にいろいろな料理が習えるというのも魅力の一つだ。

弁当のメニューはノリ巻き、卵焼き、タコウィンナー、鎌倉野菜のサラダなど。「和食を食べたい、すしを巻いてみたい、日本食のレパートリーを増やしたい」など、教室の利用目的は人それぞれだ。「メニューは外国人でも食べやすく、母国に帰っても作れるようにテリヤキチキン巻きなどにしています。キャラ弁とまではいきませんが、日本のKawaii文化を象徴するものとしてタコウィンナーも入れています。ゴマで目をつける作業は思った以上に楽しんでもらえています」と松野さん。

1日で何カ所も観光地を巡ることができる東京に比べ、鎌倉はまるまる1日を過ごすつもりでなければ来られない距離。そこで、まず鎌倉に着いたら午前中はこの弁当レッスンに参加し、午後は鎌倉大仏などの観光の合間に自分で作った弁当を食べてもらったらいいのではと思ったそうだ。

「それが弁当本来の楽しみ方でもありますし。今後はお客様からのリクエストもあり、自分で作った弁当を持ち、そのまま鎌倉の隠れスポットを訪ねるツアーも始める予定です」と松野さんたちは意気込む。

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