驚くほどフワフワな「魂仕込」

「魂仕込」の一番の特徴はみずみずしさだ。「パンの生地を仕込むときの水分量のことを『吸水』といいますが、魂仕込は吸水にポイントがあって、しっとりとしたみずみずしさがあります」と岸本さん。

18年9月には相模原市橋本に「午後の食パン これ半端ないって!」をオープンした。店名はサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会での大迫勇也選手の活躍から生まれた流行語を意識したものだ。

「昨年は色々な業態の店で、商品のポップに『半端ない○○』ってつけていました。でも、さすがに店名にまでする勇気は誰もないだろうと思って、あえてつけました」(岸本さん)

流行語がすぐに廃れるのも計算のうちで、「『あー、この店、ノリでつけちゃったよ』と思われたら『勝ち』ですね」と語る。

もっちりとした食感が特徴の「半端ない熟成」

確かに、店名からは「うわっ、やっちゃったなー」という印象を抱くのだが、実際にその商品を食べてみれば、リッチな味わいとなめらかな舌触りでとても高級感がある。岸本さんが「勝ち」と言う意味がよくわかった気がした。

「奇抜な名前をつければいいというものではなく、そこに『ギャップ』がなければ繁盛店は作れません。お客さまに対して、いい意味での『裏切り』の連続をすることが大事だと思っています」

食パン「半端ない熟成」(2斤800円、税別)の原材料は厳選した小麦粉と国産バター、宮古島のミネラルたっぷりの地下海水で作る「雪塩」など。その名の通り、熟成にこだわり、「考えた人すごいわ」に比べると吸水が少ないため、もちっとした食感が大きな違いだという。

18年12月、東京・中野坂上に開店したばかりの「うん間違いないっ!」。この店名は試作段階で全国から集めた様々なパンの材料から「もうこれ以上のものはない」という素材に絞り込んだ時に、思わず口からこぼれ出た言葉だという。