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グルメ・トラベル

休日に出掛けたい アートな個性派ライブラリー 水津陽子のちょっとディープ旅

2019/1/25

壁面を埋め尽くす蔵書に圧倒される。東洋文庫内のモリソン書庫 

昔から興味があるのに、忙しい毎日に流されて探求できずにいるテーマはありませんか。立ち止まって自分を見つめる時間が足りないと感じていませんか。予定のない休日の午後は、ユニークな体験や不思議な出合いがある個性派のライブラリー(図書館、図書室)に出掛けてみましょう。

■アートのような書庫、建築や庭園も魅力 「東洋文庫」

東京・文京区本駒込。六義園の近くに、英国の大英図書館やフランス国立図書館などと共に、世界5大東洋学研究図書館の一つに数えられる東洋文庫があります。三菱財閥創設者の岩崎家3代当主、岩崎久弥氏が1924年に設立。東洋学分野で日本最古・最大の研究図書館として知られ、約100万冊の貴重な資料の中には国宝5点、重要文化財7点を含みます。

図書館では資料の貸し出しはできませんが、閲覧室で一般の人も無料で閲覧できます。所蔵する貴重本や絵画などは順次データベース化を進めており、書誌や画像データなどがインターネットで検索、閲覧できます。

2011年に建て替えされ、新たに開館したミュージアムでは最新のデジタル技術を駆使して空間を演出。ギフトショップやレストランもあり、身近なテーマの企画展や講演会、ワークショップなどを開催しています。

中でも魅力的なのが、久弥氏が1917年に、ロンドン・タイムズ特派員のG.E.モリソン氏から購入した約2万4000冊の書籍を収めた「モリソン書庫」。書籍の購入価格は現在の価値にして約70億円といわれます。ミュージアムの2階ではその全貌を公開しており、天井から床まで本が埋め尽くす様子は圧巻です。

隣には、中国史上最大の領土と最高の権威を有したとされる乾隆帝が、学者4000人を動員して作らせたという「四庫全書」の「存目」と呼ばれる書籍の複製が赤い壁をなし、まるでアートのよう。書庫の前に置かれたソファに腰かけて眺めていると、時間がたつのを忘れそうです。

乾隆帝が作らせたという「四庫全書 存目」の複製
オリエントホールの床には洋酒たるの技術を生かしたフローリング材を使用(写真:東洋文庫)

書庫の裏にある岩崎文庫では、国宝や重要文化財、最高級の浮世絵の名品を見ることができます。奥の展示室では資料の一部をデジタル化し、画面を拡大して見るなど拡張型の展示も楽しめます。

長年書庫に収められていた東洋文庫の資料は劣化が少なく、浮世絵などの絵画も当時の色彩を維持していて実に色鮮やか。ギフトショップで販売されている所蔵の浮世絵の複製画も、色ごとに別々に刷る複製法で仕上げ、とても人気です。

日本建築家協会優秀建築選2012や2013年度グッドデザイン賞などを受賞した建築も必見。建物の外装には本阿弥光悦が本の装丁に使った透かしモチーフが施され、入り口の壁などに見事な大理石を配するなど、細部にこだわりが見えます。

ミュージアムとオリエント・カフェを結ぶ「知恵の小径」
オリエント・カフェではランチ、ディナー、カフェ・メニューを提供
ギフトショップにはつい欲しくなるグッズが並ぶ

1階エントランスの横のムセイオンの泉は豊かな水をたたえ、光や風などにより景色を変えます。オリエントホールの天井は高く、窓からは芝生の中庭のシーボルト・ガルテンが見えます。向かいの小岩井農場レストラン「オリエント・カフェ」とは美しい「知恵の小径」で結ばれ、庭や建築を眺めながら1日10食限定の「文庫ランチ」などランチやスイーツ、夜は本格的なディナーも楽しめます。

*東洋文庫ミュージアムは展示替えのため、1月15日~29日まで休館。火曜定休

イベント情報
■マハトマ・ガンディー生誕150周年記念「インドの叡智展」(1月30日~5月19日):太古インダス文明に始まる壮大なインドの歴史絵巻、インド文化圏の英知と魅力に迫る企画展。
■ミュージアム講演会「欧州を魅了した小さな花柄の源流を求めて」(2月24日)

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