「採用ミスですね」。その対応についていくつかの方策をお話しし、私もリカバリー支援に動きますが、一度採用してしまった人、しかもそれがミドルのマネジメントであると、これは会社側にとってもなかなか重たい問題です。当然すぐに辞めさせるわけにもいかず、影響は当人だけでなく部署全体にわたります(しかも同社において非常に重要な部署であり、深刻さの度合いはさらに大きい)。

もちろん、採用された当人にとっても、期待されている力を発揮できず役割責任を果たせない状況は辛いですし、厳しい処遇を覚悟する必要があります。すぐにではなくても、いずれ再度職を変えざるを得ない可能性も大きいでしょう。

LA人材 vs OE人材

このケースで本来望ましかったのは、その方がミドル、シニアであっても常にアンラーニング(学習棄却)できる力、そして常に新たなものを学ぶ力をOSとして持つ人材であることです。グーグルは、こうした人材を「ラーニング・アニマル」と呼んでいます(日経ビジネス文庫「How Google Works 私たちの働き方とマネジメント」より)。

「とびきり優秀な人でも、変化のジェットコースターを目の当たりにすると、もっと安全なメリーゴーラウンドを選ぼうとするケースはやまほどある。心臓が飛び出しそうな体験、つまり過酷な現実に直面するのを避けようとするのだ。(中略)グーグルが採用したいのは、ジェットコースターを選ぶタイプ、つまり学習を続ける人々だ。彼ら“ラーニング・アニマル”は大きな変化に立ち向かい、それを楽しむ力を持っている。」(同書)

ここで、この「ラーニング・アニマル」タイプを、「LA人材」と名付けましょう。一方で、「これまでうまくやれた人」は「オペレーション・エクセレンス」な人(決められた業務、過去に例のある物事をうまく進める力を持つ人)です。これを「OE人材」と命名して、「LA人材」と「OE人材」を対比してみます。

OE人材は一般的に、目標達成の指向性が強いです。「到達目標」を設定し、その達成にまい進します。ライン事業部の事業部長、部長、「できる」と目されているマネジャーの方などに多く見られます。これは素晴らしいことで、今後ももちろん、設定された事業目標の達成に貪欲に食らいついていくリーダー人材は必要です。

これに対してLA人材は、「到達目標」(だけ)ではなく「学習目標」を自らに設定します。学ぶこと自体が目的でもあり、失敗への恐れやプライドなどなく、目先の失敗を気にしないで新たな解を導こうと没頭し、その学習到達の過程で成果を出していきます。さらにLA人材は、その成果に留まることはありません。さらに高い学習目標を立て、その習得・解への到達を目指します。

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