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キングオブコント王者のハナコ 武器は三者三様の顔芸

2019/1/8

2018年9月に開催されたコント日本一決定戦「キングオブコント2018」で優勝し、注目を浴びたお笑いトリオ「ハナコ」。菊田竜大、秋山寛貴、岡部大の3人組は、平野ノラ、ブルゾンちえみと、ブレーク芸人を立て続けに輩出しているワタナベエンターテインメントの注目株としても話題だ。

左から菊田竜大、1987年6月生、千葉県出身。秋山寛貴、91年9月生、岡山県出身。岡部大、89年5月生、秋田県出身。2018年は「キングオブコント」以外にも「ワタナベお笑いNo.1決定戦」「お笑いハーベスト大賞」で優勝。ワタナベエンターテインメント所属

キングオブコントの決勝。犬にふんした岡部が本物の犬と同じような愛くるしい動きを見せながら、その気持ちを人間の言葉で表現するコントと、学生カップルの追いかけっこが思わぬ方向に展開していくコントの2本を披露した。

審査員の松本人志が「もし今回優勝がなくても、この先が期待できる」とコメント。バナナマンの設楽統も「マジで面白い。思っている以上にヤバい」と大絶賛するなど満場一致の優勝だった。

そんな彼らの結成は14年。10年にワタナベコメディスクールに入学した同期の3人で、菊田と秋山のコンビ、ウエストミンスターに後から岡部が加わる形でトリオに。「自分のコンビが解散してから1年後くらいに菊田と食事に行く機会があり、そこで『ウエストミンスターに入りたい』と伝えたんです。でも難色を示されたので、すぐに秋山にも電話したら即答で『いいよ! 2人でやる? 3人でやる?』って(笑)」と岡部。秋山は即決した理由を「岡部は同期の中でも抜群に面白い存在だったから」と明かす。

ネタ作りは、主に岡部と秋山が2人で台本を書き、ネタ合わせの段階で菊田が合流して完成させる。特に力を入れているのは「3人の表情を生かすこと。僕らのコントは、結局、三者三様の顔芸なんです(笑)。秋山の困り顔、僕の怒った顔、菊田の無表情が武器なのかなと」(岡部)。

秋山は「コントの動きをより良くするために、ライブの映像を見返しています」と秘訣を明かす。活動の軸足は「ライブ」と声をそろえる。「とにかくライブに足を運んでくれる人の数を増やしたい。全国ツアーもしたい」(秋山)

キングオブコント以降、さまざまな番組から声がかかるようになり、新たな課題も見えてきた。「優勝の翌日に情報番組に出させてもらったんですが、まったく準備ができていなくて。新聞をちゃんと読んで、世間のことを知っておくのが大事ですね」(秋山)

これから出てみたいテレビ番組を聞いてみた。秋山は「絵を描いたりモノを作るのが好きなので、そんな体験ができるロケとか、涙を流して笑った『オールスター感謝祭』(TBS系)の『ぬるぬるトレジャーハンター』です」。菊田は「『逃走中』(フジテレビ系)に出られたらゴール」。岡部は「テレビコントが大好きなので、豪華なセットでコントをやってみたい」

見事にバラバラな答えが返ってきたが、お互いの夢や憧れを共有している様子も伝わってくる。コントの実力が知れ渡り、次なる一手に期待が寄せられている。

(「日経エンタテインメント!」12月号の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/吉岡教雄=BURONICA)

[日経MJ2018年12月28日付]

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