本田翼のダンスと替え歌で上昇 LINEモバイルCM
2018年11月度 CM好感度月間ランキング
CM総合研究所が発表する11月度の銘柄別CM好感度ランキングで、LINEモバイルの新CMが5位に初登場した。ブランドカラーの緑色の空間で、女優の本田翼がLINEスタンプのキャラクターとダンスをする。『いい湯だな』のメロディーに合わせた替え歌とかわいらしいダンスが20代30代の男性を中心に支持を得て、初のトップ5入りを果たした。


CMは、ポップ調にアレンジされた『いい湯だな』の軽快なリズムに合わせ、本田が繰り広げるオリジナルのダンスと歌で、スマホが月300円から利用できることなどを伝える内容。LINEスタンプで人気のキャラクター「けたたましく動くクマ」「自分ツッコミくま」「うるせぇトリ」がそれぞれ出演して、本田の隣でコミカルな動きをみせる。10月26日からオンエアが始まった。
LINEモバイルUXコミュニケーション室マーケティングプランニングチームの宇田川浩彦氏は、本田を新たに起用した理由をこう語る。「女優、モデルのほか、昨今ではゲーム実況など様々な分野で活躍され、老若男女を問わず幅広い世代から支持されています。さらに、本田さんが持つ明るさや飾らない自然体の魅力は、LINEモバイルがサービス開始以降掲げ、最も重要な価値としている『SIMPLE』『FREE』『VALUE』とも合致することから、起用に至りました。軽快なリズムとダンスで、本田さんの魅力のひとつである持ち前の明るいキャラクターを存分に引き出しています」
CMの支持層分布を見ると、男性20代30代を中心に、主婦や男性50代など幅広い層に支持されており、狙いは当たったようだ。CM好感要因は、「出演者・キャラクター」をトップに「音楽・サウンド」「かわいらしい」「ユーモラス」と続く。
CM総合研究所の関根心太郎代表は、ダンスと替え歌が好感度の2大要因と指摘。「本田さんがキレがあって、かわいらしい動きで踊るというのが、まず意外で新鮮に映ったのではないでしょうか。そして替え歌の原曲である『いい湯だな』はドリフターズが歌っていたので、大人世代は誰もが知っているメロディー。それを今の時代にあうようにアレンジして、訴求したいポイントをうまく歌い込んだのが成功しました」

ダンスの振り付けには、LINE MOBILEの「L」と「M」の動きを取り入れている。「どなたでも真似できそうなシンプルな振り付けと、『いい湯だな』をアレンジした替え歌によってコミカルさも表現。LINEモバイルらしい、親近感やワクワク感を伝えています」(LINEモバイルの宇田川氏)という。
『いい湯だな』を替え歌にしたのは、「LINE MOBILE」というワードが、字あまりなどなく、無理なく歌い込めて、伝えたいポイントも表現しやすいことが決め手だった。原曲を知らない若い世代にも「かっこいい、新鮮だ」と感じてもらえるように、リズム感を強調してポップ調にアレンジした。
「音楽・サウンド」が「ストーリー展開」を逆転
近年のCM界では、替え歌を使ったCMが増えている。11月度のランキング3位のNTTドコモの『一休さん』もそう。ほかにも、Indeedの『幸せなら手をたたこう』、ワイモバイルの『Y.M.C.A.』、UQモバイルの『UFO』、創味シャンタンの『SHOW ME』などが今年ランキングの上位に入ってきた。
2018年度のCM好感度調査全体をみると、CM好感要因の全15項目のうち、「音楽・サウンド」のチェック率が「ストーリー展開」を7年ぶりに上回った(1位「出演者・キャラクター」、2位「商品にひかれた」3位「ユーモラス」、4位「音楽・サウンド」、5位「ストーリー展開」)。
CM総研の関根代表は「ワードを人々の記憶に残すのに歌い込みが有効な手段であることを示すCMが、今年は目立ちました。スマホやタブレットなどデバイスの多様化に合わせ、何かをし"ながら"テレビを視聴する『ながら視聴』が主流になっています。画面の文字は見てもらえなくても、音楽のような耳からの情報であれば届く可能性があります。特に、かつて流行した楽曲は、当時を知る世代には懐かしく、若い世代にとっても魅力的に聞こえるのではないでしょうか」と分析。「誰でも知っている曲を替え歌にして、繰り返し届けるという手法は、今後も増えそうです」とみている。
LINEモバイルの新CMは、ダンスと替え歌という昨今流行の手法をうまく取り込み、ヒットCMを生み出した好例といえそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
■当月オンエアCM:全2708銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある
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