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だからマーケティングは面白い

観客1.8倍 ベイスターズのマーケター、反撃の一打 横浜DeNAベイスターズ事業本部本部長 木村洋太氏

2018/12/26

「最初はファンにIDを発行する仕組みを導入し、入場券やグッズの直販サイトをつくりました。それまで入場券販売は委託しており、球団にはデータが残りませんでした。IDで、お客さんの年代や居住地域といった属性とグッズ購入やスタジアムへの来場履歴などの消費行動を結びつけ、『見える化』したのです。会員でない人の来場動向なども定点観測しました」

「こうしたデータやお客さんの声などをもとに、ターゲット層を『アクティブサラリーマン』と定めました。20代から30代の男性で、居酒屋に行く延長線上の感覚で野球観戦に行く、休みの日には積極的にスポーツを楽しむといったイメージです。『これが我々のお客さんだ』というイメージを共有するため、当時の社長から社員に向けて、アクティブサラリーマンを説明するイラスト付きのメッセージを送ってもらうなどしました」

■客が客を呼ぶ仕組みを目指す

横浜スタジアムでベイスターズが勝てば、イベントも盛り上がる

――どんな効果がありましたか。

「社員一人ひとりが『友人にこういう人がいるな』と思い描けるようになりました。そうすると『あの友人には、こんなサービスがいいのでは』と具体的に考えるようになります。たとえば『ビール好きの友人を呼べるビアガーデンを開こう』とか、『キャンプ好きの家族のためにグラウンドをキャンプ場にしよう』といったアイデアです」

「アイデアは部署・部門に関係なく、組織横断的に出してもらいました。それを事業部門のマネジャーレベルで検討し、経営層にも意見を聞いて実施していきました」

――イベントをどうやってリピーター獲得やグッズ販売に結びつけたのですか。

「イベントで来場し、試合をみて終わりではなく、友人を誘って何度も来てもらう方法を模索しました。お客さんに『横浜スタジアム、面白いじゃん』と思ってもらい、周囲を巻き込んでもらうのが大事だからです」

「物販では面白いデータがあります。12年と17年を比べると観客動員数は1.7倍、入場券の売り上げは1.9倍でほぼ同じ伸び率ですが、グッズ販売は3.8倍と伸びが顕著です。お客さんの参加意識を高め、気持ちよくお金を使ってもらう環境をつくってきた結果だと思っています。実際、ベイスターズのユニホームを着て観戦する人が増えています」

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