「文具女子博」ルポ 5万アイテムから見る文具の今

日本最大級の文具の祭典「文具女子博」(2018年12月14日~16日、東京流通センター)が開催されました。「見て・触れて・買える」がテーマになっており、その場で気になる文具を手に取って試したうえで、お気に入りのアイテムを購入することができます。2回目の開催となった今回は会場面積もアイテム数も約2倍に拡大! 文具メーカーや文具店123社が出店し、約5万アイテムもの文具が集結しました。限定のイベントや体験コーナーなど様々な催しが開催されましたが、その中でも注目文具や会場の様子を詳しくリポートします。
見どころ1 会場でしか買えない限定アイテム!
「文具女子博」の見どころは、なんといっても会場でしか購入できない限定販売のアイテムが豊富にあることです。各メーカーブースには普段は購入できないオリジナルのこだわり文具がたくさん登場しました。

紙を中心としたステーショナリーブランドの「ミドリ」は、ブースのレイアウトからこだわり、「MIDORI MARCHE」がテーマになっています。レターセットやふせん紙、シールなどのかわいい紙ものやクリップなどの文具をマルシェ(市場)感覚で買い物を楽しむように選べる工夫が施されています。

10月18日に新発売の「エッチングクリップス」は、精密かつ微細な表現ができるエッチング加工をステンレスに施した、デザインクリップです。文具女子博でしか買えない限定柄はこちらの「エッチングクリップス 文具ネコ柄」。ネコと文房具のモチーフを合わせたかわいらしいデザインになっています。カードサイズのケースには4種類のクリップが4枚ずつ合計16枚、アソート(詰め合わせ)で入っています。

環境に優しい素材の紙パウダー(Paper)が51%含まれている、ラムネのような質感のカラフルなクリップ「P-51 クリップス」。今回は特別に瓶に入った限定アソートが登場! モチーフは花、クローバー、ネコ、ウサギの4種類。色がトーン別に瓶に入っているので気に入った色合いのものを購入できます。

レターセットやカードなどグリーティング関連のアイテムを取り扱う「日本ホールマーク」。お祝いに使えるメッセージカードやキャラクターとのコラボレーション商品が豊富にあります。

交流サイト(SNS)を中心に人気が広がった話題の「イケメン付箋」。発売3周年を記念して文具女子博限定のイケメンが登場しました。今回のために描き下ろされたイケメン4キャラクターの中から投票で「書店員」と「印刷会社営業」の2人のイケメンが新登場。3日間しか出会えないイケメンに注目が集まりました。
見どころ2 その場で作れるカスタマイズ体験
2つ目の見どころはその場で文具のカスタマイズや、オリジナルセットを作れる会場限定の「体験」ができるブースもあることです。好きな色を選んだり、組み合わせて自分好みの文具を作れる「文具女子博」ならではの体験が楽しめました。

マッキーやサラサシリーズなどでおなじみの「ゼブラ」では、優しい色合いが人気のラインマーカー「マイルドライナー」から、自分だけのマイルドライナー5色セットを作れる「マイルドライナーバイキング」は長蛇の列をつくるほど注目を集めました。

「マイルドライナー」は10月に新色も発売され全25色に。この中からお気に入りの5色を選んでマイセットを作ることができます。「マイルドライナー」は優しい色合いが特徴で、やるべきこととやりたいことを整理するバレットジャーナルや勉強に使いやすく大人気。

5本選んだあとはケースに入れ、文具女子博限定で用意した色名シールを貼ればここでしか手に入らない5色セットの完成です。シールは「ナチュラルマイルド色」や「癒し(いやし)マイルド色」など10種類のタイトルから選べます。

今回は色はグリーンとブルーの5色。シールは「わたしのマイルド色」を選びました。まさに自分だけのお気に入りのセットが作れます。

創業116年目を迎える老舗の墨・書道用具メーカー「呉竹」では、昨年はイベントで行った「オリジナル蛍光筆ぺん作り体験」が大好評! 今年は昨年と違った2つの体験が楽しめました。

1つ目は「じぶん好みの色で組み立てるレターペン ココイロ」体験。筆ぺんのように、しっかりと「とめ・はね・はらい」が書け、サインペンのように細い文字も書ける「COCOIRO ココイロ」のキャップ色・ボディー色・インク色の3つを選びオリジナルにカスタマイズすることができます。キャップとボディーは各14色、インク色は落ち着きのある色から手帳や手紙にも合う8色から選べます。

2つ目は「好きな色の組み合わせでつくるツインペン作り」。昨年好評だった蛍光筆ぺん作りの第2弾です。今年は6色のインクの中から好きな2色を選んでオリジナルツインペンを作ることができます。

ペンのボディーにインクを入れた後、機械を使ってペン先を本体に押し込みグッと差し込むと完成です。自分でペン先を入れる作業工程はとても楽しく2~3分でオリジナルのペンが完成します。

ペンのボディーやインクが好きなものを選べます。まさに自分だけの1本が作れるここだけでしか味わえない体験です。

ホチキスを中心とした事務用品で有名な「マックス」。文具女子博では、「おしごと文具」として、女性が使いやすい洗練されたホチキスや穴あけパンチなどの人気アイテムがずらり。すべて実際に使えるので紙にホチキスを止める力の加減や、使いやすさをその場で試すことができます。

会場では、ペンケースや化粧ポーチにも収まるサイズの携帯できるミニホチキス「カラーギミック」をカスタマイズできる「自分だけのオリジナルホチキスをつくろう!」体験が行われていました。

本体カラーは黒と白の2色。通常は本体のカラーが黒ですが、文具女子博限定の白が登場。ボタン部分は8色から選べ、組み合わせは全部で16種類から選べます。普段手に入らないカラーは女性に大人気!
見どころ3 ここでしかもらえない豪華なおまけ
最後の見どころはずばり「豪華な特典」です。商品を購入するとここでしかもらえない限定アイテムがもらえるブースもあり、会場はより熱気に包まれました。

ボールペン・シャープペン・筆ペン・絵の具など筆記具を中心に扱う「ぺんてる」では、手書き文字で大切な人に思いを伝えたいときにおすすめの「筆ペン」や、自分らしさを表現したいときにおすすめの「水彩スティック」など手帳や手紙と合わせて使いたい筆記具を実際に試すことができます。

対象商品購入で、限定カラーの「ぺんてるサインペン」がもらえます。豪華特典とあって会期中は完売になる日もありました。「ぺんてるサインペン」は今年で発売55周年。55周年を記念し、春夏秋冬の季語からイメージされる55色のオリジナルインキが作られました。今年の文具女子博では、事前アンケートで選ばれた10色のオリジナルインキ「筆タッチサインペン」に入れてもらえるイベント「SignPen 55th Anniversary特別企画 『SignPen'sBAR』」を開催。

アートブラッシュ3本購入で筆タッチサインペン2本がもらえます。淡いブルーのカラーが美しいの夏の季語「ソーダ水」と、温かみのあるブラウンが特徴の秋の季語「胡桃(くるみ)」の2色を選びました。販売予定がない限定カラーなので、特別感があります。

「カンミ堂」は、ふせんを中心とした商品を扱う文具メーカー。市販のマスキングテープを小さく巻き替えてコンパクトに携帯できるペンサイズのマスキングテープホルダー「マコ」や12月発売の新商品の、大人向け新ラインアップの「ココフセンベーシック」など、話題の商品がたくさん並びました。

「カンミ堂」では商品1個以上の購入で1枚、限定の「しおりふせん」をプレゼント。シンプルなかたちのしおりにポップアップ式のふせんを内蔵した、はさんで使う・持ち歩ける「しおりふせん」はかわいらしい上、しおりとして使いつつページを付箋でページをサッとマークしたいときに使えます。
今後の文具女子博にも期待!

今年で2回目の開催となった「文具女子博」は会期中、入場やレジの順番を待つ長蛇の列ができ、活気あふれる3日間となりました。来場者数は3日間の合計でのべ3万5000人と昨年の2万5000人を大きく上回る大成功を収めました。2019年春には、初となる大阪での開催も決定!
今後も女性の「文具」へのこだわりは熱を増し、文房具業界もまだまだ盛り上がりをみせるのではないでしょうか? 来年の「文具女子博」も期待が高まります。

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