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パンクなアイドルBiSH 自作の歌詞とダンスで急上昇

日経エンタテインメント!

2018/12/20

2015年3月に「新生クソアイドル」として結成されたガールズグループ、BiSH。16年のメジャーデビューを機に、肩書きを「楽器を持たないパンクバンド」に。アイドル的でありながら、バンド的でもある特殊なスタイルがウケて、この12月には幕張メッセで2万人クラスのライブを開催するまで上り詰めた。支持される理由を、プロデューサーの渡辺淳之介氏に聞いた。

(写真:佐賀章広、撮影協力:バックグラウンズ ファクトリー)

キャッチーなメロディーと激しくエモーショナルなバンドサウンドを、個性豊かなボーカルで彩るガールズグループ、BiSH。

2015年3月に「新生クソアイドル」として誕生し、わずか1年で900人収容の恵比寿リキッドルームでライブを開催。16年5月にはメジャーデビューを果たし、それを機に肩書きを「楽器を持たないパンクバンド」に改め、活動の幅を広げてきた。18年3月に発売した3rdシングル『PAiNT it BLACK』で初のオリコンチャート1位を獲得。5月には横浜アリーナでライブを成功させ、12月には幕張メッセで2万人規模のライブも控えるなど、成長のスピードには目を見張るものがある。

彼女たちをプロデュースする渡辺氏は、14年に解散した破天荒型アイドルのBiSを、過激なプロデュースで一躍人気者に導いた経歴の持ち主だ。15年に「BiSをもう一度始める」としてBiSHは生まれた。

■作詞がグループ愛を育む

盟友であるサウンドプロデューサーの松隈ケンタ氏と話し合い、ニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズといった1990年代のUSオルタナティブロックを軸にした音楽でBiSHはスタートする。

特筆すべき点は、インディーズ時代の1stアルバムから、メンバー自身が歌詞制作に携わっていること。メンバーたちはデモ音源を聴いて渡辺に歌詞を提出、コンペにかけられるのだ。そうすることでメンバーが自主性を持ち、グループに対する愛情が深くなるのだという。作詞に関しては、「『等身大』で『心を動かすもの』を書くようにと伝えていて。例えば、死にたいと思った人がその曲を聴いて救われるようなものを書きなさいと、アドバイスしています」(渡辺氏、以下同)と明かす。

ダンスの振り付けを、メンバーのアイナ・ジ・エンドが結成時から担当しているのももう1つの特徴。「振付師ではなく、実際にグループで活動するメンバーが手掛けることで、ダンスに独自のカラーが生まれやすくなる」という。

メンバーの心の叫びが反映された歌詞に、アイナがBiSHのことを思い作ったダンスが乗ることで、メッセージ性の強い熱狂的なライブパフォーマンスが生まれるのだ。これがまさに彼女たちを「楽器を持たないパンクバンド」たらしめているゆえんだろう。

 また楽曲の幅広さも、BiSHをここまでのステージに押し上げた要因の1つ。『オーケストラ』(2016年10月)ではストリングスを初めて導入し、万人に受け入れられる壮大なバンドサウンドの1曲に。今やライブに欠かせない曲だ。一方、18年6月に突如リリースした『NON TiE-UP』は、渡辺が作詞した、テレビでは放送できない過激かつ攻撃的な歌詞の1曲。「王道スタイルを大切にしながら、カウンターパンチを入れていくスタイルで、グループをさらに大きく、そして長続きさせていきたいですね」と渡辺氏は今後の方向性を語ってくれた。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2018年12月号の記事を再構成]

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