バストアップ呼吸整体 呼吸の力でふっくら上向きに
仕事で集中しているとき、ストレスを感じたとき……体が力んで、無意識に呼吸が浅くなっていないだろうか。実はそれが、「しぼみ胸」の原因になっているという。深い呼吸で、ふっくらバストになるセルフ整体に挑戦してみよう。
◇ ◇ ◇
同年代の女性に比べ、胸のハリがなくなってきた……。そう感じている人は、体の緊張と力みが原因の「しぼみ胸」かもしれない。「体に力みがあると、呼吸が浅くなる。その結果、胸がしぼんだ感じに。深い呼吸に導く整体を行えば、ふっくら胸が手に入ります」と話すのは、呼吸整体師の森田愛子さんだ。
体の緊張と力みの原因となっているのが、パソコンやスマートフォン(スマホ)の操作などの手先の動き、長時間同じ姿勢での作業だという。「力みは手先からひじ、肩関節、背骨へと広がり、横隔膜を動きづらくする。そのため、呼吸も浅くなる。呼吸が浅くなれば、血液の巡りが悪くなり、筋肉も張り詰めて凝り固まった状態に。負の連鎖を起こす」(森田さん)。
そこで森田さんが考案した3つの整体で改善しよう。行うときに、注意したいのが、姿勢。無理に背すじを伸ばして、胸を張るのはNGだ。
「頑張ってつくった美姿勢は、一時的に胸を上げて見せているだけ。背骨の自然な湾曲をなくし、体の動きを硬くしているので、呼吸も苦しく、力みを助長します。楽に呼吸できる姿勢で行えば、日常でも深い呼吸ができるように。そうすると、バストはふっくら、自然に上がります」(森田さん)。
【STEP1】ふっくら胸をつくる 胸まわりの力みをとる呼吸整体
腕を大きく回して、しぼんだ胸まわりを刺激。胸元から腕がポカポカと温かくなり、ふわっと軽くなる。
「呼吸整体」を行うとき、背すじをぴんと伸ばすと、体の力みが抜けない。上半身がリラックスでき、呼吸を深められる、背中に自然な丸みのある姿勢がよい。
ひじ 肩 手首の力みをとれば胸がもっと広がる
「しぼみ胸」を根本から解消するには、手首から始まる力みの連鎖をほどくことが肝心。深い呼吸とともに、手首、ひじ、肩、肩甲骨、そして背中をゆるめる。
胸をしぼませる力みは、指先から始まるという。「指先を酷使すると、まず末端が緊張します」と森田さんは指摘。しかし、スマホやパソコンを手放せない生活では手先は休む間がない。
「力みをためない体をつくるには、力を意識的に抜くことが必要」と森田さん。そこで、整体では胸まわりの力みをとったが、残り2つの整体では、手首、ひじ、肩、体幹と力んでいるポイントを調整する。呼吸を深め、巡りを促すと同時に、緊張をほどいていく。「肩甲骨、背中の力みがとれれば胸も自然と開き、胸は柔らかくふっくらしてきます」(森田さん)。
【STEP2】さらにふっくら胸に ひじ・肩の力みをとる呼吸整体
ひじや肩、背中を一気にゆるめ、力みをとろう。呼吸を続けながら、上半身を前に倒しうずくまる。
【STEP3】オフィスでもできる 手首の力みをとる呼吸整体
意外と起きている手首の力み。仕事場や移動中、テレビを見ながらなど、手先を使ったらまめにほぐそう。
朝1分でふっくら胸スイッチON 普段の呼吸が深い呼吸に変わる呼吸法
朝行えば、深い呼吸へスイッチする呼吸法。背骨を自然な湾曲に戻し、背中の硬さをとるポーズが、自然と深い呼吸へ導く。鼻から吸った息が体の中心を通過し、お腹の底に落ちるイメージで呼吸を行うのがポイント。
イスまたはあぐらで座り、胸の前で両手のひらを合わせる。親指を胸の中心に押しあて、両ひじは少し前に出し、1分間呼吸。合わせた手を胸の中心にあてると、肩がやや内側に入る姿勢に。背中の緊張がほぐれて呼吸が深まりやすい。
呼吸整体師。鍼灸マッサージ師・ヨガインストラクター。女性の体質改善や産前産後ケアを軸に渋谷鍼灸理学治療室(K-Raku Style)にて治療を行う。著書に『呼吸整体師が教える 深呼吸のまほう』(ワニブックス)など。
(ライター 長島恭子、写真 鈴木宏、ヘア&メイク 依田陽子、スタイリング 椎野糸子、モデル 原田ゆか、監修 森田愛子)
[日経ヘルス 2018年10月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。