キーボードは電子ペーパー 津田大介YogaBook試す

ただホームポジションに突起があるわけではないので、慣れるまではどうしてもホームポジションを目で探してしまった。またキートップが出っ張っていないため、境目がわかりにくく、間違えて隣のキーを押してしまうこともあった。

慣れれば不自由なく使えるようになりそうだと感じたが、個人的には原稿を書くなど長文を入力する場合は、やはり物理キーボードを選ぶだろうと思ったのも事実だ。

音声入力やフリック入力などのクオリティーも向上しているが、長文を入力するにはキーボードが現時点ではベストだと思う。仕事柄、原稿を書く機会が多いので、なかなかキーボードからは離れられない。

とはいえ、物理キーボードがないからこそ実現した、9.9ミリという厚さは大きな魅力だ。以前紹介したミニマルバッグ(記事「津田大介 極薄リュックでミニマル生活にチャレンジ」)との相性もバッチリだった。

パソコンは情報収集や資料のチェックがメインでキーボードはそれほど使わない人や、セカンドマシンとして割り切って使うなら、多機能なデバイスがこのサイズに収まっているYogaBookはとても魅力的に映るはず。実際に普段の仕事はこれで問題なく対応できるという人も多いと思う。

消えつつあるパソコンとタブレットの境

なかなかキーボードからは離れられない、とはいうものの、僕自身、パソコンの出番は確実に少なくなっている。

今では校正刷りに赤字を入れるときはiPadとApple Pencilで済ませるのが当たり前になった。出張には必ずノートパソコンを携帯するが、近場の外出ではiPadだけを持って出かける日もある。ノートパソコンなしで完結する仕事の範囲は、確実に増えているのだ。

仕事の内容によっても異なるだろうが、今後もタブレットとパソコンの境がどんどんなくなっていくのは間違いない。そういった動きへの回答の一つがYogaBookだろう。そういう意味では11月7日に発売された新型iPad Proも気になるところだ。こちらも近いうちにこの連載で試用してみたいと考えている(新型iPad Proについては、記事「新iPad、買うなら大小どちらか 津田大介の結論」参照)。

津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。1973年東京都生まれ。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。主な著書に「ウェブで政治を動かす!」(朝日新書)、「動員の革命」(中公新書ラクレ)、「情報の呼吸法」(朝日出版社)、「Twitter社会論」(洋泉社新書)、「未来型サバイバル音楽論」(中公新書ラクレ)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。

(編集協力 藤原龍矢=アバンギャルド、写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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