EXILE HIRO 音楽と映像、バランス取り世界に発信

日経エンタテインメント!

EXILEをはじめ、三代目J Soul Brothers、E-girlsなど多くのアーティストが所属する芸能事務所LDHは、俳優業、映像事業への取り組みを強化している。その大きなきっかけとなったのが、『HiGH&LOW』シリーズだ。2015年のドラマを皮切りに、映画、ライブなど多彩な展開を続けている。映像という表現の場を得ることで、所属アーティスト、さらにはLDHはどのような展開が可能になるのかを、LDHグループのトップであるEXILE HIROに聞いた。

本名・五十嵐広行。1969年6月1日生まれ。99年に「J Soul Brothers」を結成し、2001年にEXILEに改名。02年、LDHの前身となる「エグザイルエンタテイメント有限会社」を設立。17年から新体制になり、現在はLDHグループのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務める(写真:窪徳健作)

「自分が映像作品に携わることになったきっかけは、ミュージックビデオ(MV)へのこだわりから始まっているように思います。音楽エンタテインメントにずっと邁進してきて、そこは妥協なくやってきました。メンバーの俳優業は一応把握していましたが、基本的にお任せしていたんです。ただメンバーの良いところや、LDHの強みがあまり出てなかったり、当初聞いていたのとは話が違うなという作品もあって。だから1回、『僕が関わるとしたらこういう作品がいい』みたいに総合エンタテインメントをLDHとして作れることを証明したかったんですね。それが『HiGH&LOW』です。

EXILE TRIBEのメンバーの身体能力はすごいですし、MVでは様々な表現をしてきました。それをアクションという表現方法でもっと生かせる。あと、やっぱり音楽の使い方。自分も映画は大好きなんですけど、『HiGH&LOW』に関しては、従来の映画の視点じゃなくて、音楽アーティストの僕らの目線でこだわりたかった。音楽の鳴るタイミングとか、何から何まで、それこそライブを作っている感覚ですよね。

ただ、LDHのアーティストを総動員に近い形で稼働させて、と、動き始めてから気付いたんです。「あれ? これ狙い通りにいかないとやばいな」みたいな(笑)。

実際、映画の興行収入はあまり意識していなくて、映画という軸だけでは考えてなかったんですね。実は、『HiGH&LOW』はまずドーム公演をやることが先に決まっていて、ライブと映画を一緒にして、いろいろなエンタテインメントをくっつけてもいいじゃないですかという、自分たちの新たなエンタテインメントとしての提案みたいな思いも込めていたんです。ライブでは100万人ぐらい動員できると考えていたので、リスクは意外と少ないと考えていました。だから、ドラマ第1話ではハーレーを100台集めたり、映像だけで考えると、頭がおかしいと思われるくらいのことをやりたかった。それがテーマでした(笑)」

謙遜するものの、映画はこれまでの4作の累計興収は60億円を突破。また、『HiGH&LOW THE LIVE』は、16年に開催され、累計100万人を動員した。『HiGH&LOW』の成功は、LDHの映像事業への取り組みを加速させることとなる。

大きな意味を持つ配給事業

「『HiGH&LOW』は、9月28日に公開されたスピンオフ映画『DTC ‐湯けむり純情篇‐ from HiGH&LOW』だけでなく、その先もまだ発表してないものを含めて、いろいろなスピンオフなど、豪快な展開をたくさん考えています。遊び心を形にして、表現していくのが『HiGH&LOW』なのかなという感じですね。

『HiGH&LOW』とは真逆の、胸キュンものを僕たちが作ったらどうなんだろうみたいなところから始まったのが10月からスタートしたドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)です。LDHには、『HiGH&LOW』に出ていない片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)など、王子なメンバーもたくさんいるので(笑)。『HiGH&LOW』はリスクもあったんですけど、すごく勉強になって『プリンスバトルプロジェクト』も生まれた感じです」

さらに踏み込んだ取り組みといえば、配給を行うLDH picturesの立ち上げだ。

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