――勝負服のようなスーツはありますか。

「この場所だからこのスーツという感覚ではないです。基本的には同じようなスーツを着ているので。しかしスーツは毎シーズン、新調します。そんなに多くはありませんが」

「好みや流行は変わります。いつもオーダーメードでスーツを仕立てているのですが、自分自身のこだわりで選ぶというよりは、話しをして納得できたら薦められたかたちでつくってもらっています。ダーク系が多いですね。黒か紺、チャコールグレーも結構あります。明るい色は少ないですね」

――どのようなきっかけでオーダースーツに。

「社会人1年目につくったところで、ずっとお願いしています。就職活動のときに既製品を着たのですが、身体に合わない感覚があったんです。まずシャツをオーダーでつくってみたら、すごく身体にフィットして。それでスーツをつくったんです」

――服にかなり興味をお持ちのようですね。

「中学高校と私立校でしたので、みんな私服でした。周りにはオシャレに敏感な友人も多く、普通の高校生は読まないようなモード系ファッション誌をみんなで回し読みしていました。当時はアントワープ系(『アントワープ・シックス』と呼ばれる1980年代にベルギーで学んだ6人のデザイナーなど)がはやっていて。結構みんな着ていましたね」

――外資系金融機関に勤めていた当時はいいかがでしたか。

「すごくラフな格好でした。よくあるイメージですが、スーツ姿でバシッと決めたような格好はしないんです。チノパンとポロシャツを着て。という感じで、非常にラフな格好でした」

■就活では白いコートにノーネクタイ

――仕事がらみでスーツをめぐるエピソードはありますか。

「仕事がイコール、スーツではありませんでしたので特段ないのですが。就職活動時代に少し面白い話があります。私が就職活動に臨んだ2006年というと、投資銀行の人気が高くて、非常に多くの競争相手がいるわけです。そこで一人、白いコートを着て、ネクタイをせずに面接に挑んだんです。これは結果的に成功事例で、入社試験で一緒だった人はだいたい覚えてくれている。当時の面接官も覚えてくれていました。まぁそれだけでは無いとは思いますが」

――シリコンバレーでのプレゼンではスーツでした。

「シリコンバレーの起業家がスーツを着ているイメージはありません。ただ、このケースでは印象付けるというよりは、精神的なオンを作るためにスーツを着て臨みました。起業して一番はじめの投資を募るという機会で、これに失敗したら証券会社はつくれないという状況でしたから。人生を懸けたプレゼンなので、気合を入れるためにスーツを着たというわけです」

SUITS OF THE YEAR 2020

新型コロナウイルスの影響で、2020年は初のフルCGで作成した会場でのバーチャル授賞式。
時代の節目に挑み、大切なメッセージを放つ5人を表彰した。

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