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ドバイの高級ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」にオリジナル日本酒を提供

一方、富裕層の多いアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでも、日本酒は重宝されている。中東はイスラム国家が多く、宗教上、アルコールは禁忌とされているが、五つ星以上のレストランなど限られたところに酒販免許を与えている国もある。ドバイでは現地の高級和食店などで日本酒が提供され、人気なのだという。

中でも富裕層が集まる高級ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」では、南部美人の純米吟醸を同ホテルオリジナルの日本酒として提供している。ボトルのラベルもホテル名入りでオリジナルのものだ。また、世界的にも有名なドバイの和食レストラン「Zuma」では南部美人の10年古酒が1本(720ミリリットル)約30万円で提供されている。

また、ドバイを拠点とするエミレーツ航空や、UAEのアブダビを拠点とするエティハド航空では、ファーストクラスなどの機内食で南部美人を提供している。エティハド航空ではグラスではなく、銚子ととっくりで客に飲まれているという。南部美人は2006年から、毎年ドバイなどで試飲会を開催するなど地道な努力を続けており、現地ファンを増やしているようだ。

欧州でも日本酒は人気だ。フランスを訪れた印象を、久慈氏は「改めて日本酒は可能性だらけだと実感した」と話す。近年、フランス料理では、バターをたっぷり使ったクリームソースを使用した料理から、和食やイタリアンのような素材の持ち味を重視した軽めの料理に変化しているというのだ。

そうした料理にペアリングさせるシャンパンやワインのテイストも「日本酒寄り」に変化していると久慈氏は見る。「甘くて重いシャンパンが減って、軽めとか辛口が増えてきた」(久慈氏)こともあり、日本酒そのものが使われる可能性が高まっていると感じている。

日本酒の魅力をどう伝えるか(左が久慈氏)

では日本で、接待の席で外国人パートナーなどに、日本酒の魅力をどのように伝えたらいいのだろうか。久慈氏にポイントを聞いてみた。

まず、「日本人と外国人では日本酒へのアプローチ法が全然違う」とアドバイスする。接待される側が日本酒好きな日本人だと、酵母のことや製法(無ろ過など)をまず知りたがる。だが、外国人は(1)どんなコメを使っているかや、どんな蔵元なのか(ワインでいうテロワール情報)、(2)どんな料理に合うのか(ペアリング)をまず知りたがるという。このほか、環境への配慮はしているのか、なども注目する傾向がある。つまり、ワインと同じようなアプローチ法で日本酒を知ろうとするのだ。

「日本人は“酒の肴(さかな)”と言うように、酒メインの発想だが、外国人の発想は“肴の酒”と言える」(久慈氏)と、重視する順番が違うようだ。外国人に日本酒を説明する際は情報の優先順位を考慮し、料理とのペアリングや蔵元のストーリーなどから説明すると喜ばれることが多いという。

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