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from 日経Gooday

がん患者の声で社会を変えたい 調査や商品開発も がんになっても働き続けたい~西口洋平さん(下)

日経Gooday

2018/12/3

がんの治療と仕事を続けながらキャンサーペアレンツの活動をする代表理事の西口洋平さん
日経Gooday(グッデイ)

ある日、がんになったら、今まで続けてきた仕事はどうすべきか――。今、がん患者の3人に1人が働く世代(15~64歳)といわれている。しかし、告知された患者が慌てて離職したり、雇用する企業が患者の対応に困惑し、うまく就労支援できなかったりすることが少なくない。自身もがんになったライター・福島恵美が、がんと診断されても希望を持って働き続けるためのヒントを、患者らに聞いていく。

ステージ4の胆管がんの治療をしながら、子どもを持つがん患者が互いにつながる場をつくっている、一般社団法人キャンサーペアレンツ代表理事の西口洋平さんに、前編「がんステージ4でも働ける 大切なのは職場の信頼関係」では自身の働き方を聞いた。後編ではこの団体が取り組むがん患者への調査や、親ががんになったときの子どもへの伝え方を伺う。

■がん患者の栄養調査に患者である会員が参加

――キャンサーペアレンツでは、子どもを持つがん患者が会員となり、インターネット上で投稿したり相談したりすることができるコミュニティをつくっておられます。それ以外にはどのような活動をされていますか。

全国にいるキャンサーペアレンツの会員が実際に会うオフ会を東京、名古屋、大阪でそれぞれ年に1、2回開催しています。その他に会員を対象にしたアンケート調査、大学や病院などの調査・研究への参加、がん患者も使うことのある商品の開発への協力などを行っています。

森永乳業グループの病態栄養部門・クリニコと共同で、キャンサーペアレンツの会員を対象に、栄養管理に関する調査をしたことがあります。がんの治療中に、病院スタッフに栄養や食事について相談する機会があったかを聞くと、約4割の人が栄養相談をする機会がなかったことが分かりました(がん患者さんの食事と栄養についての意識調査、2017年)。

キャンサーペアレンツの会員を対象に行った調査の結果

このような実態が明らかになると、病院の栄養士さんからがん患者さんに、栄養のことをもっと伝えた方がいいのではないかという考えが出てくると思います。その結果、病院や栄養士さんの意識が変わり、栄養相談できる環境が整えば、結局、僕たち患者は恩恵を受けることになります。

この栄養調査に関連しているのですが、今、若い世代でも食べやすい栄養補助食品の開発に協力し始めています。がんの影響で固形物が食べられないときに、ドリンクやとろみのある食品でカロリーや栄養を取れる食品です。色々な種類がありますが、基本的に高齢者向きで味が若い人の好みに合わないケースも多いので、僕たち働く世代のがん患者の意見を伝えています。

各種の調査に会員の皆さん、結構、参加してくれます。「自分の意見が社会を変えていくことに役立つなら」と。がんになって社会活動ができずにいた人が、自分たち患者の声を届けることで、社会に関わっている実感を持てるのは、とてもいいことだと思うんです。

■子どもにがんをどう伝えるかは一番の悩み

――キャンサーペアレンツの会員は皆さん、子どもがいるわけですが、西口さんががんと診断されたとき、当時6歳の娘さんに、ご自身のがんのことをどのように伝えたのですか。

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