二重国籍、日本に「89万人」 世界は容認、企業に利点

――二重国籍を維持することにも問題はありませんか。

「政府は国民の安全を守るために国外で自国民を保護する役割を負っているが、二重国籍者の保護はどの政府が担うのかという問題がかつてはあった。しかし現実にこうした問題はほとんど生じていない。欧州でも冷戦の終結前は二重国籍に慎重な考え方も強かったが、戦争を意識しなくなり、域内統合も進んでくると容認するようになった」

――二重国籍を容認すれば何が変わるのでしょうか。

「外国からの移民が増えたとき、ある都市の住民のほとんどが外国籍しか持っていなければ国としての運営が難しくなる。できるだけ国民として位置づけるほうが国の安定にとっていい。多国籍企業ならば、社員を別の国に転勤させるときのビザを取得するのは大変だ。複数国籍のほうが簡単に転勤できるので、働く人にとってもチャンスが増える。経済活動を活発化する意味もあるだろう」

――生まれながらに1つしか国籍を持っていない人からは、二重国籍はずるいということになりませんか。

「まずは二重国籍が認められないので、外国人として生活し続けることのデメリットが当事者にとって大きいことを知っておくべきだろう。日本から出て、仕事の都合で別の国籍をとらなければならないケースはよくあることだ。日本の国籍を捨ててしまえば、例えば親の介護の必要で日本に戻るときなどに大きな負担も生じる。こうした可能性は今の時代、誰にでもある」

――外国人労働者の増加が見込まれる中で、国籍選択制はどうすべきでしょう。

「外国出身の人たちが安定して生活できるよう、二重国籍を認めるべきだ。日本は他国からやってきて帰化する人が少ないが、複数国籍を認めないことも背景としてあるだろう。国内の生産年齢人口が減る中で、帰化率を上げ、国籍取得者を増やすのは大事な政策だ。閉鎖的で排他的な国籍法を改めるのがポイントとなる」

(高橋元気)

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