二重国籍、日本に「89万人」 世界は容認、企業に利点

日本は今後、海外出身の労働者の増加により外国籍を持つ人が増える見通しです。社会学者の下地ローレンス吉孝氏は「二重国籍の容認は、様々なルーツを持つ人とともに社会を築く理念を日本が示すことになる」と制度の変更を求めています。一方、二重国籍の容認については、投票権を2つ持つことなどを「特権的優遇だ」などとする反対論もあります。

英国のコンサルティング会社が10月に発表した世界199の国・地域のパスポートのランキングで、日本は1位となりました。ビザなしで渡航できる国・地域の数が最も多かったためです。これは日本の国籍が世界で信用されている証しとも言えます。二重国籍を容認すれば、日本国籍の取得を求める人が増えるのは間違いないでしょう。

近藤敦・名城大教授「複数の国籍、働く人にもチャンス」

二重国籍の制度と世界の潮流について、国籍問題に詳しい名城大学の近藤敦教授に聞きました。

――そもそも日本の制度はどうなっているのでしょう。

近藤敦・名城大教授

「日本の国籍法は1985年から、国籍選択制度を採用している。複数の国籍を持つ人は原則として22歳までにどちらかの国籍を選択する義務がある。しかし政府は選択の義務を課したかどうかを確かめたことはなく、日本国籍を選択した場合に外国籍を離脱するのも(罰則のない)努力義務にとどまっている。国籍を離脱することができない国があるのと、複数国籍者を正確に把握できないのに一部の人にだけ離脱を求めるのは不公平にあたることなどが理由だ」

――どんな問題がありますか。

「生まれながらに二重国籍となった人は、どちらかを選べという強迫観念を持たされてしまう。日本国籍を選んだ時にもう片方の国籍を放棄する努力義務はあるものの、実際には放棄しない人も多いようだ。二重国籍のことは表だって話せないなど、心理的な負担は大きい」

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