話題のゲーミングPC ゲームショウで入門者拡大も狙うゲーミングPC最前線

東京ゲームショウ2018では家庭用ゲーム機だけでなくゲーミングPC関連ブースも多く見られ、様々な人がゲームを体験していた
東京ゲームショウ2018では家庭用ゲーム機だけでなくゲーミングPC関連ブースも多く見られ、様々な人がゲームを体験していた

2018年9月20~23日に開催され、4日間で29万8690人が訪れた東京ゲームショウ(TGS)2018。国内338社・海外330社という過去最大の出展企業の中には、ゲーミングPC関連のブースも数多く見られた。関係者に話を聞くと、海外に比べ家庭用ゲーム機が強い日本でも、確実にゲーミングPCは存在感を増しつつあるようだ。TGS会場で各メーカーに日本での動きについて話を聞いた。

4日間で29万8690人が訪れたTGS2018

周辺機器含めると人気は30万円前後

これまで日本のゲーム市場は、スマートフォン(スマホ)ゲームと家庭用ゲーム機用のゲームがしめる割合が大きく、海外では大きなシェアを持つPCゲームが極端に少ないと言われていた。だが、この連載でも取り上げてきたように、状況は変わりつつあるようだ。

東京ゲームショウ事務局によると「人気ゲームが(プレイステーション4、Xbox、PCすべてに対応する)マルチプラットフォームで発売されることが定着したため、ゲーマーたちに人気のタイトルは性能が高いPCでプレーする人が増えている」という。「ゲーミングPCはPCメーカーにとって高付加価値で売れる分野。そこでTGSにも力を入れるようになったのではないか」

調査会社Gfkジャパンの調査では2017年の個人向けパソコンの国内販売が前年比98%。しかしゲーミングPCに限ると135%、金額ベースでは143%と好調だ。

一般のPCと比べて、高度なデータ処理をするゲームに対応したゲーミングPCは、スペックが強化されているのも特徴だ。そのため一般的なパソコンよりも性能が高く、高価なパソコンが目立つ。2017年に続いての出展となったエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)。同社のマーケティング担当・呉子維氏に個人向け製品のトレンドを聞いたところ、「20万円前後がボリュームゾーン」という答えが返ってきた。

「弊社のラインアップでいえば本体の価格帯は15万~30万円超ですが、ユーザーの動向をみると感触としては20万円前後の製品がよく出る印象ですね。これに加えて、ゲーミング用のキーボードやマウスなどの周辺機器を合わせると、相場となるのは25万~35万円といったところです」

BtoCだけでなくBtoBの動きも出てきているという。MSIは新宿のインターネットカフェ『カスタマカフェ歌舞伎町店』の一区画を使った『eスポーツエリア』にデスクトップPCやディスプレーを納品した。「eスポーツへの関心が高まるにつれ、こういったBtoBでのやり取りが増えています」

ライトユーザーを狙え

一方でハイエンドPC以外の動きもTGSでは見られた。

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座椅子タイプのゲーミングチェアも