AAAの楽曲 挑み続けて「大人サウンド」へと進化

日経エンタテインメント!

2005年のデビュー以降、アイドルからアーティストへと大きく成長し、大人のグループとしての階段を日々上り続けているAAA。メンバー全員が今年30代を迎え、ニューアルバム『COLOR A LIFE』には、彼らの大人の魅力が伝わる楽曲が数多く並ぶ。ではAAAは、どんなサウンドを経て、今に至っているのだろうか。

05年にシングル『BLOOD on FIRE』でデビューした彼らは、4thアルバム『depArture』(09年)までの5年間、ポップ、ロック、ダンス、バラードと様々なジャンルに挑戦。真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)が作詞作曲をしたロックナンバー『ハリケーン・リリ、ボストン・マリ』(06年)は、現在もライブでファンと一緒に盛り上がる1曲だ。

5thアルバム『HEARTFUL』(10年)からは、エレクトロサウンドを駆使した楽曲が増え始める。そして、小室哲哉がプロデュースした24thシングル『逢いたい理由/Dream After Dream ~夢から醒めた夢~』(10年)が1つの転機となる。オリコンチャート1位を獲得し、年末に初となる『NHK紅白歌合戦』出場を果たしたのだ。6thアルバム『Buzz Communication』(11年)も、全曲小室プロデュースの1枚となった。

しかし決して彼らは歩みを止めない。小室プロデュース作品を経て、“自分探し”という試行錯誤をし始める。A&Rを担当するエイベックスの河田淳一郎氏は、「AAAが今後どんな音楽性を目指していけばいいのかを、メンバーが自分たち自身に問いかける時期だった」と当時を振り返る。

「メンバー会議」で楽曲選び

この頃にはもう確立されていたのが、収録曲を決めていく際に開かれる「メンバー会議」だ。「まずは“今のAAAが歌うべき楽曲や空気感”に沿って、様々な作曲家に発注したものをメンバー全員に聴いてもらいます。そしてメンバーとスタッフで自由に意見をぶつけ合って、楽曲を選定していくんです」。(河田氏、以下同)。

AAAサウンドの変遷

このようにメンバー自身がプロデュースに関わっていくことで、7thアルバム『777 ~TRIPLE SEVEN~』(12年)では、クールな雰囲気の『Still Love You』や、『777 ~We can sing a song!~』のような、メンバー同士がじゃれ合う感じのハッピーチューンも生まれている。

いろんなトライを続けた結果生まれたのが、彼らの代表曲である『恋音と雨空』(13年)と、『さよならの前に』(14年)だ。ともに切ない男女の恋模様を歌ったミディアムテンポのバラードで、男女混合グループゆえのコーラスワークがさえる。「この2曲はみんな一致でやりたいとなった曲でした。まさに彼らがいろいろともがいて、1つの答えを出せたのではないでしょうか」。

その後は、『PARTY IT UP』(13年)や『GAME OVER?』(15年)のようなEDM系の楽曲にも挑みながら、大人っぽさを感じさせる楽曲が増えていく。昨年リリースした11thアルバム『WAY OF GLORY 』(17年)に収録する『LEAP of FAITH』は、彼らが得意とするダンスナンバーだが、テンポやメロディーに緩と急、静と動がしっかりとついており、凛とした印象が際立っている。

『COLOR A LIFE』 妖艶に進化したダンスチューンや、アコースティックギターに乗せたバラードに加え、今までにない組み合わせのユニット曲なども収録。(エイベックス/3100円)

そして、ニューアルバム『COLOR A LIFE』ではサウンドに生音を増やすなど、歌詞の世界観も含め、大人としてのキャリアをより押し進めた1枚に仕上がった。バラードの『Tomorrow』で、背伸びをしない等身大の歌詞を柔らく包み込むような声で歌ったかと思えば、アッパーチューン『DEJAVU』では、声質に色気を漂わせながら、艶っぽく歌い上げている。

表現力が増しているのは年齢によるものだけでない。それは近年、各メンバーのソロ活動が活発化し、様々な学びを得ていることも大きな要因の1つだという。「歌の表現の幅が広がっていたり、レコーディング中にハモリのラインを逆に提案してくるなど、日々メンバーの音楽スキルが向上していると実感します」。

今後も、サウンドとメンバーの進化がお互いを刺激しあうことで、AAAの楽曲をより高いステージへと導いていくことだろう。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2018年9月号の記事を再構成]

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