仲里依紗 トレーニングで完全燃焼、活動量計にも興味
2018年は主演ドラマ『ホリデイラブ』が話題を呼び、映画にドラマに出演作が続く仲里依紗さん。2013年に結婚し、現在は一児の母でもある。そんな彼女がはまっているのは、「鬼トレ」と呼ばれるほどハードなことで知られるトレーニング「クロスフィット」だ。
クロスフィット・トレーニングで完全燃焼
「子どもを産んでから、体形を戻すためにスポーツに興味が湧いて。インスタグラムでいろいろチェックしていたら、クロスフィットをやっている女優さんやタレントさんが、けっこういたんですよ。私も前から気になっていたので、AYAさんというトレーナーの方に自分でアポを取って、スタジオに行ってみたのが1年くらい前です。
クロスフィットの基本は、脂肪を燃焼させる有酸素運動と、筋トレを組み合わせたトレーニングです。筋トレに使うモノは、ダンベルや、ケトルベルっていう、小さい爆弾みたいな形をしたおもりがあって。そういうものを持ち上げたり、走ったり、懸垂したり、スクワットをしたりしながら、毎回、同じメニューを同じ回数やるんです。
サーキットトレーニングみたいな感じなので、『今日は何分で終わった』と自分との競争みたいな感じでがんばれます。日によってタイムも疲れ度も違うので、自分の体の状態もわかりやすいです。『昨日、撮影が続いてあんまり食べなかったから、今日、動けなかったのかな』とか思える。
クロスフィットをやることで、食も大事なんだなと改めて気づきましたね。野菜だけ食べる、とかじゃなくて、そこにちゃんとタンパク質も入れて、少しの糖質も入れないと、体も脳も良いパフォーマンスができないんです」
トレーナーのAYAさんは、腹筋が割れた「シックスパック美女」としても注目され、メディアに採り上げられることも多い。仲さんも仕事に家事に育児にと多忙なため、トレーニングに行けるのは週1回、1時間程度だという。
「それでも1時間動きっぱなしなので、相当なエネルギーだと思います。『これはヤバいかもしれない』ってくらい苦しいこともするんですけど、大人になったら、そんなにがむしゃらに体を動かすこともないじゃないですか。部活みたいに目標を持って体を動かすようなこともないので、淡々と毎日が終わっていく。
でもクロスフィットと出会ったことで、『今日はこれができるようになった』という達成感や、『今度はこれができるようになりたい』という目標を持てるようになって、自分が変わりました。あと、単純にものすごく汗をかくので気持ちがいいし、体がすっきりして、脱力できます。体が軽くなることによってヘンな疲れも取れて、気持ちも落ち着く。体も心も、元気になります。旦那さんにも『いいよ』と勧めて、最近は一緒にやってますね」
もしも今、悪役のオファーが来たら?
2018年9月21日公開の出演映画は、人気絵本を原作にした「パパはわるものチャンピオン」。マスクをかぶったヒール役(悪役)の元トップレスラーが、愛する息子と自分のプライドのために再びチャンピオンをめざすという物語だ。仲さんは主人公の大ファンで、プロレスマニアの雑誌編集者・大場ミチコを演じている。
「最初に原作の絵本をいただいて、息子に読み聞かせしたら、すごく喜んで。今でも『読んで読んで!』と言ってくるくらい好きなんです。そんなふうに子供が好きなお話で、大人が読んでも面白いので、ファミリーで見られる良い映画になるんじゃないかと思いました。
ミチコさんはプロレスオタクの役ですけど、私はプロレスを2回くらいしか見たことがないんです。でも何かに熱中した経験はあるので、その気持ちを重ねながら演じました。
役作りで使ったモノは、メガネとカツラです。メガネはなくても良かったんですけど、監督の希望でメガネキャラになって。掛けてみると、『ああ、こういう感じのオタクなのか』と。私はプロレスが派手だからプロレス女子も派手な人っていう印象だったんですけど、意外とミチコさんみたいに地味な人も好きなのかもしれないな、と思いましたね」
主人公のレスラーを演じるのは、新日本プロレスのスター棚橋弘至。ほかにも本物のレスラーが多数出演し、リング上のシーンを見応えのあるものにしている。
「実際に闘う姿を見てたんですけど、迫力がすごかったですね。これはちゃんと、本当の会場に行って見たいなと思いました。例えば役者さんがプロレスラーの役をやると、キレイになって美化されちゃうと思うんです。でも、この作品は本物のレスラーの方しか出てないから、生っぽい。プロレスファンの方にも楽しんでもらえる映画になったと思います。
この映画の主人公みたいに、私が今悪役をやると、子どもに嫌がられるかもしれないですね。でも私は悪役の方が好きです(笑)。自分が演じていて楽しいのは悪役の方。だって『いい人』は疲れちゃいますもん。それに、プライベートでは悪いこと、できないじゃないですか。役になってるときくらいは、楽しみたいですよね(笑)」
フィットビットが気になります
今、仲さんが欲しいものは「フィットビット」だという。腕に装着すると歩数や消費カロリー、心拍数、歩行距離などを計測してくれる活動量計だ。
「旦那さんが使ってるんですけど、意外と良さそうなんですよ。活動量計だけど睡眠の質なども見られて、自分の好きなモードを選べる。例えば筋肉を増やしたいモードにして、食べたものを入力すると、『この栄養素が足りません』とか指示を出してくれるんです。歩数計としてもきちっとしていて、歩数を増やそうとズルして機械を振っても、カウントしてくれない(笑)。だんだん気になってきて、私も欲しいと思うようになってきました」
クロスフィットしかり、やはり体に関するものに興味を引かれるようだ。5年前からヨガも続けているという。
「ヨガは、いろんなポーズができるようになるのが、すごく楽しいです。逆立ちのポーズもできるようになったし、柔軟性や体幹が身についたと思います。
今後やってみたいのは、ピラティス。今、海外からいろいろな機械が導入されて、ヨガよりも激しい動きで体幹を鍛えられるようになってるんです。気になって、スタジオを探し中です。
私は、体を動かしてないとダメなんですよね。ダラダラしてると気持ちがささくれだして、『ああ、動きたい!』となる(笑)。それに、体力があった方が、老後も楽しいじゃないですか。自分の脚で歩きたいし、食べ物も自分の歯で食べたい。いつまでも若くいたい(笑)。
体を動かすと、自分が生き生きする気がします。それが仕事にもつながっていると思うんです」
1989年生まれ、長崎県出身。2006年に劇場版アニメ「時をかける少女」のヒロインの声を務め、10年には実写版にも主演。また同年「ゼブラーマン~ゼブラシティの逆襲~」でゼブラクイーンを演じ、日本アカデミー賞などの新人賞を獲得した。その後の主な映画に「モテキ」(11年)、「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」(14年)、「羊と鋼の森」(18年)など。ドラマに「逃げる女」(16年)、「あなたのことはそれほど」(17年)、「ホリデイラブ」(18年)などがある。
「パパはわるものチャンピオン」
かつて人気レスラーとして活躍していた大村孝志は、ケガや世代交代のため、悪役の覆面レスラー「ゴキブリマスク」としてリングに上がり続けていた。息子の祥太は「大きくなったら、父親の仕事を教えてあげる」と聞かされていたが、ある時、孝志がゴキブリマスクだと知ってしまう…。監督、脚本・藤村享平 原作・板橋雅弘 作、吉田尚令 絵(『パパのしごとはわるものです』『パパはわるものチャンピオン』岩崎書店刊) 出演・棚橋弘至、木村佳乃、寺田心、仲里依紗、大泉洋(特別出演)、大谷亮平、寺脇康文 2018年9月21日(金)全国ロードショー
(文 泊貴洋、写真 藤本和史)
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