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得意のグリーグ「ピアノ協奏曲」 田部京子が初録音

2018/9/15

 日本を代表する実力派ピアニストの田部京子さんが、ノルウェーの作曲家エドワルド・グリーグ(1843~1907年)の「ピアノ協奏曲イ短調作品16」を初めてレコーディングした。小品も加え、通算3枚目のグリーグ作品集のCDを9月26日に出す。「北欧のショパン」とも呼ばれる作曲家に長年傾倒する理由や、最も得意とするピアノ協奏曲をようやく録音した経緯について聞いた。

 田部さんは公演とともにレコーディングにも力を注ぎ、これまで30枚以上のCDアルバムを出してきた。多くは国内外で特選盤に選出され、特にシューベルト、ブラームスの作品集は世界的に高い評価を受けている。ベートーベンやシューマンなども含めドイツの古典派からロマン派の作品を最も得意とする。

「ピアノ協奏曲」ライブ録音の機会が到来

 一方で田部さんはグリーグやシベリウスら北欧の作曲家の作品も好んで弾いている。9月26日リリースのCD「グリーグ:ピアノ協奏曲」(発売元:オクタヴィア・レコード)はグリーグのCDとして3枚目となり、傾倒ぶりをうかがわせる。

 ――グリーグの「ピアノ協奏曲」は自身にとってどんな作品か。

 「グリーグの作品をずっと好んで弾いてきた。とりわけ『ピアノ協奏曲』は私がオーケストラと共演した中で最も演奏回数が多い協奏曲。でも1度も録音する機会がなかった。いつかしたいと思っていたが、セッション録音は難しい。ライブ録音の場合でも、協奏曲は指揮者やオーケストラなどの条件が整わないと品質の高い録音はかなわないからだ。そこで機会を待っていたが、ついに6月10日、ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市)で小林研一郎さんの指揮による東京交響楽団とライブ録音することができた」

 「今回のCDでは『ピアノ協奏曲』に加え、アンコールでよく弾いているグリーグのソロの小品も併せて収録した。『朝』など『ペール・ギュント第1組曲』、『過ぎにし春』『ソルヴェイグの歌』『君を愛す』だ。グリーグのような北欧の作曲家の小品は、日々の情景をスケッチするみたいに、感じたもの、湧き上がってきたものをそのまま音にしている。日記のような作品だと思う。小品からは作曲家の精神性がよく分かる。肩肘はらずに作っている感覚が出ていて、私はとても好きだ」

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