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安室さんの軌跡たどる57曲 音楽映像初のミリオン

2018/9/14

25年以上、日本の音楽シーンのトップを走り続け、9月16日に引退する安室奈美恵が、ライブ映像作品『namie amuro Final Tour 2018~Finally~』をリリースした。DVDとブルーレイ(BD)が発売3日で100万枚を突破(オリコン調べ)、音楽映像作品初のミリオンセールスを達成した。デビューから現在へと続く歴史の集大成といえる作品だ。

『namie amuro Final Tour 2018~Finally~』は全5種類を発売。DVDは5枚組、BDは3枚組(DVD、BDとも税込み各8800円)

1992年、SUPER MONKEY’Sのメンバーとしてデビューした安室。引退の時が刻々と迫るなか、8月29日に、最後のツアーを収めたライブ映像作品『namie amuro Final Tour 2018~Finally~』が発売された。

同ツアーは全国5大ドームに加えて中国の深圳、香港、台湾でも実施。国内ドームツアーとしては、国内ソロ歌手で史上最多となる「1ツアーで約75万人動員(アジア公演を含めると約80万人)」という記録を樹立し、有終の美を飾った。

本作にはツアーの最終日である東京ドーム公演と、昨年9月に沖縄で行われた「namie amuro 25th ANNIVERSARY LIVE in OKINAWA」の2公演を完全収録。この2公演を見ると、安室の軌跡を追うことができる。

ライブツアー「Finally」で歌われたのは、ファンのリクエスト投票上位から選ばれた楽曲など計30曲。

ライブの前半でNHKのリオデジャネイロオリンピック・リオデジャネイロパラリンピック放送テーマング『Hero』(16年)など2000年代以降の楽曲を披露。ダンサーを従えてのキレのあるダンス、そして踊りながらも決してブレない歌唱は引退を発表した人とは思えない、圧倒的なパフォーマンスだ。

セカンドアルバムの表題曲『SWEET 19 BLUES』からは、ブレークのきっかけとなった『TRY ME~私を信じて~』(95年)などユーロビートのカバーや、小室哲哉のプロデュース曲など90年代の楽曲が中心に。

自身最高の売り上げとなったシングル『CAN YOU CELEBRATE?』はウエディングドレスをイメージさせる白いロングドレスで登場。公演中に数回衣装替えした安室だが、この衣装で歌ったのは同曲のみ。思い入れの深さを感じさせた。

アンコールの最後の曲に選んだのは『How do you feel now?』。16年ぶりに小室哲哉が作詞作曲を手掛けたことで話題を集めた。

「そうしてわたしと/あなたの歴史から/出会い まぶしい/ラブストーリー/ラブヒストリー」。安室の歴史を思い返さずにいられない歌詞であり、小室楽曲をライブの最後の曲に据えたことにも大きな意味があるのでは、と想像せずにはいられない。

最後のツアーは動員数で記録を樹立

一方、沖縄での25周年アニバーサリーライブの27曲には、22年ぶりにライブで披露したデビュー曲『ミスターU.S.A.』など初期の楽曲も並ぶ。

ユーロビートのカバーブームを巻き起こし、また小室哲哉とのタッグで一世を風靡した90年代。ジャパニーズR&Bシーンをけん引した2000年代、そして現在――。自身の歴史を、最高のパフォーマンスをもって伝える作品といえる。

(「日経エンタテインメント!」9月号の記事を再構成 文/羽田健治)

[日経MJ2018年9月7日付]

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