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躍進が止まらない 中高年の名脇役、なぜブレイク?

日経エンタテインメント!

2018/9/11

「まずは演技力。『バイプレイヤーズ』の放送時にツイッターでは、『あれは演技なの?素なの?』という書き込みがありましたが、そんなふうに感じさせる自然な演技ができる、役者さんとしてのすごさがあります。例えば若い俳優さんだと、『こういうお芝居が欲しい』というレベルに到達するまでに、演出家がかなり頑張るケースもあるんです。でもあの方々は普通にそのレベルを超えて、さらに面白くすることができる。松重さんが『1つの芝居をするために、100考えて、一度全部捨ててから現場に行く』とおっしゃってましたけど、何通りものお芝居の中で、何が一番ベストなのかを議論できるところがすごい」

野間口徹、森下能幸、甲本雅裕、小日向文世、菅田俊ら、脇役たちも「名脇役」ばかり。役所広司や岡田将生ら主演級も出演。(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会
『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』Blu-ray&DVD BOX/発売中/販売元:東宝 

また、現場でスタッフに愛される、人間的魅力も大きいという。

「利己的な俳優さんは、パッと人気が出ても、スタッフから弾かれていってしまうところがあるんです。でも下積みが長くて、ずっと魅力を放ち続けている彼らは、みなさん人格者。若い新人のスタッフから年配のスタッフにまで優しく気を配って、現場の周りにいらっしゃる一般の方々にも、大人の対応をされます。人としての優しさがあるからこそ、視聴者も含め、みんなに愛され続けているのかなと思いますね」

芝居がうまくて、人もいい。さらに「その人ならではの個性がある」(浅野氏)ことから、制作者側は、再びその俳優を呼びたくなるようだ。また、優秀な俳優でありながら、法外なギャラを要求されないことも魅力だろう。

■制作費の減少も追い風に

近年、テレビは番組制作費が減少傾向にあるといわれる。そんななかでギャラの高いスターを集めてドラマ制作を続けることは難しくなっており、例えば高額なスターを1人キャスティングしたら、あとはメインの役柄でも安くてうまい俳優で固める――という業界内のフトコロ事情があるとの声も聞かれる。

「今は、キャストや脚本の掛け合わせで面白いものを作る“企画性”の時代だと思います。それが多様化につながり、『おっさんずラブ』のような新しいドラマも生まれている。そういうなかで、キャリアを積んできた役者さんたちに光が当たるのは業界的にも喜ばしいこと。若い役者さんたちにも、ぜひ彼らに続いてほしいですね」

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2018年8月号の記事を再構成]

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