Win7搭載PC、10月で出荷終了 購入は得策にあらず
システムがウィンドウズ10に対応できない企業のニーズなどに応えるため、販売が続けられていたウィンドウズ7搭載パソコンの出荷終了が10月に迫ってきた。だが、今、ウィンドウズ7搭載パソコンを購入する場合には注意が必要だ。
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Win10をWin7にダウングレードできたが
2009年10月の発売以来、長年続いてきたウィンドウズ7搭載パソコンの出荷が、10月で終了する。
7をプリインストールしたパソコンの出荷は16年に終了したが、ウィンドウズ10搭載パソコンを7に「ダウングレード」した「7ダウングレードパソコン」は、継続販売されていた。システムがウィンドウズ10に対応できないなどの理由で7を使い続けている企業のニーズに応えるためだ。だがそれも終了となる。(※出荷できるのが10月31日までなので、受注はそれ以前に打ち切られる可能性が高い。例えばNECは8月31日で受注を終了した)
ダウングレードパソコンは、マイクロソフトが付与する「ダウングレード権」を利用して提供されている。これは、最新OSを利用するユーザーは一定の世代まで前のバージョンを利用してもよいというライセンス上の権利だ。ユーザーが自分でダウングレードしても、メーカーがダウングレードしてもよい。
ただし、いくら7を使いたいからといっても、今、7ダウングレードパソコンを購入する場合には注意が必要だ。
Win7搭載PCはCPUが旧世代
周知の通り、ウィンドウズ7のサポート期間は20年1月まで。それ以降、7を使い続けるのはセキュリティ上のリスクがある。ならばインターネットには接続せず、安全な環境で7を使い続ければよいのではと思う人がいるかもしれない。
だが、7ダウングレードパソコンに限ってはそうもいかない。
7ダウングレードパソコンの場合、ダウングレードした7を利用できるのは、7のサポート期間内だけと決められているのだ。20年1月以降に7を使い続けるのは、ライセンス違反となる(ボリュームライセンスなどの法人向けライセンスでは、サポート期間終了後も、ダウングレードした7を権利上は利用できる)。
さらに、10にアップグレードして使うにしてもデメリットがある。現在販売されている7ダウングレードパソコンには、実は古いCPUが搭載されている。インテルのコアiシリーズの最新版は第8世代だが、7ダウングレードパソコンが搭載するのは第6世代。なぜなら、第7世代以降のCPUは、ウィンドウズ7をサポートしていないからだ。
1年と少しだけ7を使うために、あえて性能の低いパソコンを買うのは、あまり得策とはいえないだろう。
(日経PC21編集部 田村規雄)
[日経PC21 10月号記事を再編集]
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