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アルコール依存症の断酒 人間関係のリセットが必須 飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題(中)

日経Gooday

2018/9/11

写真はイメージ=(c)Karel Miragaya-123RF
日経Gooday(グッデイ)

お酒を飲む人にとって他人事ではないけれども実態はよく分からない「アルコール依存症」。いったん依存症になると、断酒するのはとても難しいと言われています。「元アル中」コラムニストで『上を向いてアルコール』の著者・小田嶋隆さんは、どうやって依存症から抜け出せたのか。「アルコール依存症の人は、自分が依存症と認めない」に引き続き、酒ジャーナリストで『酒好き医師が教える最高の飲み方』の著者・葉石かおりさん、同書の監修者である肝臓専門医の浅部伸一さんと語り合います。

■飲酒をコントロールできないことが問題

葉石かおり(以下、葉石):アルコール依存症かどうか判定するには、飲酒習慣のスクリーニングテストを受けます。こちらはWHO(世界保健機関)のスクリーニングテスト「AUDIT」の質問項目です。こうした質問の答えを点数化するんです。

厚生労働省のe-ヘルスネットより作成。酒量は「日本酒1合=2.2ドリンク」「ビール大瓶1本=2.5ドリンク」「ウイスキー水割りダブル1杯=2ドリンク」などと換算する。

小田嶋隆(以下、小田嶋):スクリーニングテストっていくつかありますよね。私は久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(※現在は新久里浜式アルコール症スクリーニングテスト)というテストで、すごい高ポイントをたたき出したことがありますよ。自慢できることじゃないですけどね(笑)。

この質問を見ると、アルコール依存症は、頻度や酒量だけが判断基準になっているわけではないということが分かります。

小田嶋隆 1956年生まれ。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。近著は『上を向いてアルコール』

葉石:普通は、毎日飲むとか、毎回ボトル1本あけるとか、そういうことがアルコール依存症の判断基準になると思いがちですよね。

小田嶋:そうではなく、その人が飲める最高量を1カ月のうちどれだけ飲んでいるか、お酒を飲むことで問題行動を起こしているか、ということがポイントになっているんです。

浅部伸一(以下、浅部):飲酒をコントロールできているかどうか、ということが重視されていますよね。「飲酒のために前夜の出来事を思い出せないことがどれくらいあるか」「飲酒であなた自身や他の誰かがけがをしたことがあるか」といった質問は、許容量を超えて飲んでしまうことがあるかを確認しているのだと思います。

小田嶋:私はかつて依存症だったので、ちょっと分からないんですけど、日本酒だったら1合が適量とかいうアドバイスってありますよね。でもすでに1合飲んでいる人間に、それ以上飲むことをやめさせるのは不可能じゃないですか?

葉石:あの、本に書いておいてなんですが、私もそう思います(笑)。1合飲んだら、続けて2合、3合と飲んで、もうゴールデンコースですよね。

小田嶋:無敵ですよ。ビールなんていくら飲んでも物足りないから、延々と飲んでいるうちに、気づいたらぶっ倒れている。アルコール依存者に適量という概念はないんです。だから、こういうアドバイスって、依存者には役に立たないなと思うんですよね。

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