傷痕が残るケガと消えるケガ なにが違うのか?

日経Gooday

正解は、(1)傷の深さです。

痕が残るのは「真皮」深くまで達した傷

ケガややけどをしたとき、多くの人が気にするのは傷痕の問題でしょう。同じ傷なのに痕が残るものと、きれいに消えるものがあるのはどうしてなのでしょうか。

埼玉医科大学病院院長補佐で形成外科教授の市岡滋氏によると、「皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっていますが、傷がどこまで達したかによって治り方が変わる」のだそうです。

「例えば、日焼けのように、やけどでも表皮しかダメージを受けない場合はきれいに元通りに治ります。これを“再生”といいます。ところが真皮の半ば以上まで達した深い傷は、再生できずに痕が残ってしまいます。この治り方が“修復”です。切創(切り傷)でも熱傷(やけど)でも同じことです」(市岡氏)

皮膚は外側から表皮(茶色の部分)、真皮(肌色の部分)、皮下組織(黄色の部分)の3層構造になっている。表皮しかダメージを受けない場合はきれいに元通りに治るが、真皮の半ば以上(青い点線)まで達した深い傷は、再生できずに跡が残ってしまう。(図提供:市岡教授)

転んでヒザを擦りむいたくらいではめったに痕は残りませんが、同じ擦り傷でもバイクの事故などでできた大きな傷は痕が残ります。これも真皮深くまで傷が達したため。要するに、傷の種類やできた原因ではなく、あくまで深さが問題になるわけです。

正常皮膚の再生が可能なのは、真皮の中に達した深い傷でも、「毛穴」が残っているレベルまで。毛穴の中には表皮の細胞が入り込んでいるので、傷ができた真皮のなかに毛穴が残っていれば、表皮の細胞が真皮の上に出てきて正常皮膚を増殖できるのです。

しかし毛穴が失われるレベルの深い傷になると、真皮の上に表皮細胞がない状態になってしまうために、正常皮膚の増殖ができない状態になってしまいます。つまり、傷ついても真皮と表皮が接している状態が残されていれば、傷痕はきれいに治るわけです。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2018年8月20日付記事を再構成]

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