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語学留学、伸びる東南アジア行き 期間の短さに課題も

2018/8/21

留学生の節約志向を背景に、東南アジアへの留学が増えている(フィリピン・セブの授業風景)

日本から海外への留学が急増しています。日本学生支援機構の調査によると、国内の大学などがつかむ留学する学生の数は2016年度、約9万7千人でした。比較可能な09年度から毎年増え、2倍以上に達しています。留学事情に変化があったのでしょうか。

日本人の留学目的の約7割は語学との調査があります。言語は英語のイメージが根強いですが、行き先には変化があるようです。09年度は多い順に米国と英国、オーストラリア、カナダで全体の約55%でしたが、16年度には約46%まで減りました。

半面、フィリピンやマレーシアといった東南アジアへの留学が増えています。フィリピンは09年度の約300人から16年度には約3千人と約10倍に増えました。米国が旧宗主国だったため英語が公用語のひとつで、物価安も理由です。語学留学の行き先は、留学生の節約志向を背景に、費用を抑えられる国を中心に多様化しているようです。

マレーシアへの留学生が増えているのはフィリピンと同じく日本から近く、物価が比較的安いことに加え、治安の良さもありそうです。海外留学関連の企業・団体で構成する海外留学協議会(東京・新宿)の星野達彦氏は「英国が旧宗主国で、しっかりした教育制度がある」と指摘します。後の進学を視野に学ぶ人も多いそうです。

欧州にも穴場があるようです。地中海の島国、マルタ共和国は英国が旧宗主国で、公用語はマルタ語と英語です。星野氏は「次のブームはマルタだろう」とみます。いままでは近くのイタリアやスペインから学びに来る人が多かったそうです。物価が比較的安く、小国なので移動が楽なのも魅力といいます。

語学留学が増える一方、上武大学講師の鈴木穣氏は、留学期間の短さが課題としています。16年度の留学期間は1カ月未満が全体の約60%で、1年以上の留学は3%未満の水準です。鈴木氏は「グローバル人材の能力を養うには、数年の留学が理想だ。短期では、日本人の留学生同士の交流で終わってしまうこともある」と分析します。

長期の留学といえば学位目的の留学です。経済協力開発機構(OECD)の調査では、海外の大学に籍を置く日本人留学生数は04年の約8万3千人をピークに減少傾向です。節約傾向に加え、若者の「内向き志向」も影響しているとみられます。

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