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立川談笑、らくご「虎の穴」

予備校の教師時代にあったこわーい話 立川談笑

2018/8/5

「お化けフォーク」で有名な福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大投手は、リーグ戦のみならず日本代表のピッチャーとしても大活躍する逸材です。そんな彼はドラフト1位どころか育成枠から見事にはい上がった選手なのです。彼の姿を見ると、かつてのスポーツ予備校での彼らの顔が重なります。一人残らずバイタリティーがすさまじくあったから、今ごろは立派な社会人としてバリバリ活躍してるんだろうなあ。

突然かかってきた一本の電話

うって変わって、今度は別の予備校での話です。こちらは、元・医歯薬系専門の予備校でした。

何といっても驚いたのは、突然かかってきた一本の電話でした。当時、私は教務主任。予備校の教務主任だった落語家なんて私より他にいませんよ。予備校全体を預かる立場として、電話を取りました。

相手が語ったのは「よろしいですか。A大学医学部、B大学医学部、C大学医学部、D大学歯学部、E大学薬学部。これらのいずれかを来年受験する生徒さんがもしもいらっしゃったら、その親御さんの連絡先をぜひ私に教えてください。教えていただくだけで、あなたに報酬として100万円をお支払いします」と。

なんじゃこりゃあー!!!受験ブローカーじゃないかー!しかも、裏口あっせんの――! そりゃもちろん100万円は欲しいし、わざと2校とか3校とか受けさせたり、なんなら100校とか受けさせたりしたいかもしれないけど……。なーんて書いてはいますがね。本当のところ、「うわっ、噂には聞いたけど現実に存在したのか!」と背筋がゾッとしてその電話の上で即座にお断りしました。

ただし、電話のやりとりは事実ですが、先方が主張していた話の真偽は不明です。誤解のなきよう。

繰り返しますが、これらはすべて30年前の昔話です。話を続けます。

そんな立場ですから、その当時はそんな裏口入学にまつわる話がまことしやかにいくらでも耳に入ってきました。

「教員側でなく事務方にツテがあって、いくらかならばどうにかげたをはかせることはできます」とか。

「正規の合格者は実はほんのちょっぴりで、補欠がたっぷり。たくさんいる補欠合格者の中の合否の順位は学部への寄付金で左右されるんですって」だとか。

「とは言っても裏金を使ったのを知ってるのは親だけで、合格した本人は何にも知らないままなのよぉ」だとか。

果ては「成績不振の医学部生を相手にした医師国家試験専門の予備校があって、なぜかしらかなり確度の高い予想問題を用意できて……」。

あくまでも「噂は噂」と思いたくはあるのですが、今回の汚職がらみの事件を知って「やっぱり、出たかあ」と。ううむ。なんとも苦い思いで見上げる夏の空であります。

立川談笑
1965年、東京都江東区で生まれる。高校時代は柔道で体を鍛え、早大法学部時代は六法全書で知識を蓄える。93年に立川談志に入門。立川談生を名乗る。96年に二ツ目昇進、2003年に談笑に改名、05年に真打ち昇進。近年は談志門下の四天王の一人に数えられる。古典落語をもとにブラックジョークを交えた改作に定評があり、十八番は「居酒屋」を改作した「イラサリマケー」など。

これまでの記事は、立川談笑、らくご「虎の穴」からご覧下さい。

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