ツイッター拡散力 群抜く松本人志、フォロワーは有吉
SNSタレントパワーランキング 2018
ツイッターのフォロワー数ランキングでは、700万人を超える有吉弘行を筆頭にお笑い芸人が存在感を示した。一方、平均リアクション数では松本人志が1位。フォロワー数2位の数字とあわせて、ツイッターで最も拡散力がある存在といってよさそうだ。

日経エンタテインメント!では、SNSタレントパワーランキング調査を実施。インスタグラム、フェイスブック、ツイッター、アメーバブログのいずれか、もしくは複数のSNSを利用する芸能人・著名人を対象に、「発信力」「拡散力」の目安となるフォロワー数とリアクション数でそれぞれランキング化した(調査の詳細は「渡辺直美が断トツのインスタ女王 水原・ローラが続く」をご覧ください)。
ツイッターの日本版公開は2008年。今年で11年目を迎える。フォロワー数ランキングでは、使用歴8年以上のユーザーが半数を占める結果となった。なかでも、08年から始めたお笑い芸人の有吉弘行がダントツの710万人超でトップに立つ。なお、トップ30でツイッター利用歴が最も短いのは、15年からスタートした三代目J Soul Brothersの岩田剛典だった。
インスタグラムのフォロワー数ランキングでは、モデル業を行う女性タレントが上位を占めたのに対し、ツイッターで目立ったのはお笑い芸人。2位の松本人志、8位の三村マサカズ、14位の田村淳ら、7人がトップ30内にランクインした。また、堀江貴文、糸井重里など、その発言の影響力が高い人も並ぶ。140字以内の文字による"つぶやき"が基本のツイッターでは、芸能人・著名人から発せられる言葉に期待するユーザーが多いようだ。

10年にリツイート機能が搭載され、11年にハッシュタグ機能を付加。12年にトレンド表示、15年に投票機能が追加されるなど、年々機能が拡充されてきた。それに伴い、使われ方も変わりつつある。
とくに芸能人・著名人にとって魅力は、ツイッターの持つ"拡散力"だ。自身の投稿をフォロワーがリツイートすると、そのフォロワーがつながっている他の利用者のタイムラインにも表示。さらには、その人が別の人へとどんどん拡散していく可能性がツイッターにはある。2年ほど前には、「いいね」にも拡散効果が付与された。
1投稿に対する「いいね」や「リツイート」などのリアクション数の平均値をランキング化したところ、フォロワー数ランキングとは大きく異なる結果に。両方のランキングで30位以内にランクインしたのはたった6人だった。

平均リアクション数で、2位に2倍近くの差をつけて1位になったのは松本人志。なんと1投稿あたり13万以上のリアクションを得ている。フォロワー数の規模とリアクション数を鑑みて、最もツイッターで影響力のある存在といっていいだろう。松本のツイートは、ツイッターらしい"つぶやき"タイプ。例えば、新幹線で寝ている松本を起こしてまで写真を求めてくる人への皮肉や、相方・浜田のポスターの目に画びょうを刺した写真、キズパワーパッドを巻いた指が『犬神家の一族』のスケキヨに似ている――など、日常に転がっているネタを短くつぶやく。
松本同様に、気楽さとゆるさで人気を集めるのは21位の佐藤二朗だ。彼のツイートは文字が中心で、そのテーマは一貫して身近な出来事だ。しばしば、酔った勢いでつぶやかれるものも多い。このような短文のツイートは、言葉のセンスが表れる。3位の菅田将暉は、事務所の先輩である松坂桃李を、「遊びに全力でちょっとアレなパイセン松坂桃李a.k.aキング」と表現するなどユニークだ。

2位の竹内涼真は、即時性やオープンさを効果的に使う。例えば、大好きだというサッカーの試合がある日には、放送を見ながらツイッターで実況し、ファンから「一緒に見ているみたい!」と喜ばれている。また、武井壮とツイッター上で会話したり、竹内の誕生日に役者仲間やJリーガーらに祝福のコメントを寄せられたりする姿が見られる。芸能人同士が繰り広げる言葉のコミュニケーションも人気が高い。
ちなみに竹内は、ドラマや映画など自身の出演作の公式アカウントによるツイートも頻繁にリツート。音楽グループAAAの西島隆弘のアカウントは、スタッフによる告知の場ながら、10位にランクイン。ツイッターの持つ拡散力を積極的に活用するケースが多く、実際に効果も得られているようだ。
(ライター 横田直子)
[日経エンタテインメント! 2018年7月号の記事を再構成]
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