欧州向けに企画し現地でヒアリング

この製品はもともと、欧州(主にドイツ)の男性向けに開発を始めたものだった。現地調査の結果、5割の男性が体毛を処理し、そのうち9割が股下部分までそっていた。他社にも股下部分まで狙った商品がなかったので、ビジネスチャンスがあると判断した。開発チームは商品化の前に、まずは実際にドイツのユーザーを訪問し、どのように生活しているか、どうやって体毛を処理しているか、困っている点は何か、どうすれば満足度を得られるかなどをヒアリング。合計で約10人に会ったという。

開発チームは、ユーザーが体毛の処理に使っている剃刀やボディーシェーバーをはじめ、さまざまな機器を実際に試してみた。そのとき、パナソニックの産毛処理用シェーバー「フェリエ」を利用したところ、使い勝手がいいことが分かった。刃先と握り部分が「I字型」になっていたので、これを応用できないかと発想が広がったという。

ただ、産毛と体毛では太さが異なるし、ユーザーも安全性を第一に求めていた。そこで安全に処理できる刃先とはどういうものかを追究。丸みを帯びて幅広い、新しい形状の刃先を作った。開発チームが実際に使い、何度も試作を繰り返して完成させた。

試作品が出来上がると、ドイツのユーザーに見せて感想を聞いた。そうした意見を再度、試作品に反映。商品化のめどがついたところで、ドイツでの調査を終えた。最終段階では、実用性を評価してもらうため、日本に住む外国人にも使用してもらった。全員が問題ないと判断したため、欧州で商品化に踏み切った。

本体を横にしたところ。肌に当てて、なでるように処理する

日本市場でも受け入れられる

一方、日本でもニーズを調査したところ、20代や30代の若い男性を中心に、体毛を処理したいという意見が多かった。特に脇部分よりも股下部分に対するニーズが高かったため、日本でも発売を決定した。ただ、欧州と日本では細かいニーズが異なることも分かった。体毛をそり上げる状態より、処理していないように見せる方を日本人は好むという。そこで、好みの長さに処理できるよう、3mmと6mmのアタッチメントを付属させることにした。欧州でもアタッチメントと一緒に販売しているが、主に日本市場に向けた施策だった。

実際、17年5月に第1弾を発売後、別のアタッチメントも欲しいという声が多かったので、18年5月に第2弾を発売したときは、新たに9mmのアタッチメントを用意した。さらに日本では当初に狙っていた若い世代に加え、今までの不満を解消できる新しい商品として、40代以上の世代にも受け入れられていることも分かった。欧州でもカミソリやボディーシェーバーに代わる商品として注目されたという。

(日経クロストレンド 大山繁樹)

[日経クロストレンド 2018年7月13日の記事を再構成]

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