深刻な病気治療も自己負担軽く 高額療養費制度を知る知って得するお金のギモン

日経ウーマン

2018/7/12

家族の分はどうなる?複雑な自己負担の範囲

 自己負担額の判定にはいくつかのルールがあります。

1 対象外の医療費がある
対象は保険診療の範囲内です。自由診療や先進医療の費用、患者が希望した場合の差額ベッド代、食事代は対象外です。
2 自己負担額は月単位
同一月(1日から末日まで)の負担額で判定します。8月15日~9月15日の約1カ月間入院した場合、8月分と9月分の自己負担額は合算できません。
3 1医療機関の支払いで判定
同じ人が同じ医療機関に払った負担額で判定します。なお、通院と入院、医科と歯科の支払いは合算できません。
4 家族の分は合算できる
家族1人につき1医療機関に2万1000円以上(*2)の自己負担額を支払った場合、異なる医療機関にかかっていても「世帯合算」として合算できます。

 このほかにも、過去1年以内に3回以上、高額療養費制度を利用した場合、4回目からの自己負担限度額が引き下げられる「多数回該当」などのルールがあります。

 高額療養費の払い戻し手続きは、加入している健康保険に申請するのが原則です。最近は自動的にお金を振り込んでくれる「自動還付」という仕組みを採用している健康保険組合もありますが、医療費がかさんだときは、念のため、健康保険の窓口に確認するようにしましょう。

 なお、払い戻しには3カ月ほどかかります。この間の負担をなくしたければ、加入する健康保険に申請して「限度額適用認定証」を事前に発行してもらいましょう。病院で医療費を支払うときに提示すると、支払い額が自己負担限度額で済みます。

*1:【自己負担限度額(70歳未満)】(1)年収約370万円以下は5万7600円、(2)年収約370万~約770万円は8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%、(3)年収約770万~約1160万円は16万7400円+(総医療費-55万8000円)×1%  *2:70歳以上は2万1000円未満でも可

高額医療費制度のポイント

今月の回答者

望月厚子さん
社会保険労務士・FP。望月FP社会保険労務士事務所代表。大学卒業後、生命保険会社、独立系FP会社を経て独立。公的年金や保険、住宅ローン、ライフプランニングなどの個人相談ほか、セミナー講師としても活躍。

[日経ウーマン 2018年8月号の記事を再構成]

日経ウーマン 2018年 8 月号

出版 : 日経BP社
価格 : 600円 (税込み)


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