NIKKEIプラス1

6位 粟國(あぐに)の塩 420ポイント
だしのような味わい(沖縄県粟国村)

沖縄本島の北西約60キロに位置する粟国島の塩。約1万5千本の竹の枝を内部に組んだ高さ10メートルの立体式タワーに海水を何度も流して循環。約1週間かけて濃縮し、平釜で30時間かけて煮詰めた後で自然乾燥させる。「甘味を含んだしょっぱさと、だしのような味わい。かむほどに米の甘味が広がる」(新田さん)、「塩が全面に出るタイプのおにぎりに仕上がる。少量だとかなり効果的」(濱口さん)、「米の甘味を引き出してバランスが良い」(片山さん)。

(1)沖縄ミネラル研究所(2)160グラム540円(3)http://www.okinawa-mineral.com/

7位 ひんぎゃの塩 350ポイント
バランス良いうま味(東京都青ケ島村)

東京都区部から約360キロ離れた青ケ島の塩。黒潮の海水をくみ上げ、地熱蒸気だけを使って平釜を加熱。約3週間をかけてじっくりと濃縮、乾燥させる。ひんぎゃとは地面から蒸気を吹き出す噴気孔のこと。「米の甘みを引き出しつつ、後味が抜けて甘みが変に残らない」(片山さん)、「塩自体のえぐみが強い割に米には比較的合う」(田中さん)、「塩味も少し強めだが、くどくなく全体的にバランスの良い甘味、うま味が楽しめる」(新田さん)。

(1)青ヶ島製塩事業所(2)50グラム250円(3)04996・9・0241

8位 笹川流れ 玉藻塩  340ポイント
ミネラルたっぷり(新潟県村上市)

国の天然記念物に指定されている海岸「笹川流れ」(新潟県村上市)の海水を使い、玉藻(ホンダワラ)のエキスを抽出して大量の薪で煮詰めた塩。海藻のうま味とヨード分が加わり、濃い茶色をしている。「甘味、うま味がしっかり感じられる。適度なしょっぱさもあり、口の中で最後まで濃い味が続く。おかずいらずのおにぎり」(青山さん)、「海藻のうま味、えぐみが濃いが、米の味をうまくまとめてくれる」(田中さん)、「うま味と雑味のバランスが良い。ミネラル分豊富で女性に向きそう」(関さん)。

(1)日本海企画(2)350グラム1188円(3)http://www.isosio.com/

9位 土佐の海の天日塩 あまみ 330ポイント
しっかり感じる甘さ(高知県黒潮町)

サンゴなどを育む太平洋のきれいな海水をネット式海水濃縮装置で濃縮し、太陽光と風力で結晶化して作る。火力を一切使わない自然結晶のため、海水中のミネラルバランスを崩さないという。最後まで甘味が残るので「あまみ」と名付けた。「うま味が強く、工事現場や会社員のためのがっつり大きなおにぎりにぴったり」(志村さん)、「じょりじょりした食感と全体のバランスが良い」(川上さん)、「ごはんと合わせるとバランスがとても良く、おいしく感じる」(井澤さん)

(1)土佐のあまみ屋(2)130グラム493円(3)0880・55・3402

10位 海人(あまびと)の藻塩 310ポイント
優しくまろやかな味(広島県呉市)

瀬戸内海中部にある上蒲刈島(かみかまがりじま)で作る。濃縮した海水に乾燥したホンダワラを浸し、海藻成分を抽出した塩水を平釜で煮詰めて結晶化させる。遠心分離機で余計なにがりを取り除き、まろやかな味に整える。「ほどよいしょっぱみと、米に深いコクが感じられ全体的にバランスが良い」(新田さん)、「角がなく、丸い、やさしい感じ。子ども向けのおにぎりに合う」(志村さん)、「うま味を引き出し、おにぎりの香りを邪魔しない」(片山さん)。

(1)蒲刈物産(2)100グラム432円(3)http://www.moshio.co.jp/

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「家庭では4種用意したい」

日本ソルトコーディネーター協会 青山志穂代表理事

調味料で素材の味を引き出すのは塩だけ。味噌やしょうゆ、酢などは味をかぶせてうま味や甘味を加えるが、塩は素材が隠し持つ味、香り、食感をシンプルに引き立ててくれる。塩をふるだけで焼き肉の脂肪は甘くなり、熟成肉なら特有のナッツのような香りが強くなる。色々な塩で試すと、同じ食材でもこってりしたり、味が凝縮したりと、特徴が変わる。仲間でワイワイやれば楽しめること請け合いだ。

家庭で塩をそろえる場合、しょっぱさの強弱と粒の大きさによって4種類用意したい。例えば、しょっぱさが強く粒が大きい塩は口の中でしょっぱさが長く残るから、赤身肉など味が強い食材。しょっぱさが弱く粒が小さい塩はうま味と苦味を感じた後しょっぱさがすっと消えるので味の淡泊な野菜や米に合うといった具合。これに、何にでも合わせやすいオールマイティーの塩と誰かに自慢したいおもてなしの塩をそろえれば万全だ。

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ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。商品名、生産地(1)製造元または輸入元(2)税込み価格例(3)問い合わせ先。写真は岡田真。

調査の方法 塩に詳しい専門家の協力で、おにぎりに合い、比較的入手しやすい塩を22品選び、商品名を伏せておにぎりにまぶして食べる試食会を実施、または米とサンプルを専門家に送付して試食を依頼。「米の甘味を引き出す」「米のうま味が増す」「味のバランスが良い」などの観点で評価してもらい、得点を集計した。米はおにぎり協会が「おにぎりに合う米」として推奨する山形県産「つや姫」を使用。試食会で用いた業務用炊飯ジャーで象印マホービンの協力を得た。

今週の専門家 ▽青山志穂(日本ソルトコーディネーター協会代表理事)▽新田遙(パラダイスプラン塩屋事業部 塩屋東京ソラマチ店)▽井澤由美子(料理家)▽奥田政行(「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフ)▽片山真一(隅田屋商店代表取締役・五つ星お米マイスター)▽川上文代(料理研究家・シェフ)▽志村幸一郎(「てんぷら小野」店主)▽関克紀(おにぎり協会理事)▽タカコナカムラ(料理家)▽田中園子(solcoオーナー)▽濱口昌大(「セルサルサーレ」オーナーシェフ)▽森脇慶子(フードライター)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2018年6月23日付]

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