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山田和樹 マーラーの次は約200カ国の国歌に挑戦

2018/6/23

指揮者の山田和樹氏(39)が世界の国歌を全曲レコーディングする企画に取り組み始めた。2020年東京五輪を見据えて東京混声合唱団(東混)と200近い国々の国歌や愛唱歌を録音する。15~17年にはマーラーの交響曲第1~9番全曲シリーズ公演を達成した。日本を代表する若手指揮者は相次ぐ大型企画を通じてどこへ向かうか。芸術監督兼音楽監督を務めるモナコのモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団での活動も含め巨匠への道を探った。

6月14日から始まったサッカー第21回ワールドカップ(W杯)ロシア大会。試合前に流れる出場チームの国歌も興味深い。スペインとポルトガルはいずれも大航海時代の栄光をしのばせる勇壮な行進曲風だが、スペイン国歌にはもともと歌詞がない。革命歌だったフランスの「ラ・マルセイエーズ」は、血塗られた軍旗を敵が掲げるなか、「武器を取れ」と呼びかける戦闘的な歌だ。ウルグアイ国歌はモーツァルトやロッシーニのオペラみたいに軽快に鳴る。山田氏は東京混声合唱団を指揮し、こうした様々な国歌をすべて録音する遠大な企画を打ち出した。

東京混声合唱団を指揮し国歌を全曲録音

「東混の音楽監督兼理事長になっていなければやっていないかもしれない企画」と山田氏は語り始めた。「責任もあるし、今後の東混をどう育てていこうかと考えた」。日本の頂点に立つプロ合唱団だが「今までと同じ活動をしているだけでは生き残れない。いろんな可能性を考え、アイデアを書き出した中に国歌があった。東混の団員の中にも同じ構想があったので、やってみようということになった」と経緯を語る。

企画を始めるにあたってまず17年11月に出したのが、東混と日本フィルハーモニー交響楽団を指揮した2枚組CD「山田和樹のアンセム・プロジェクトRoad to 2020」(発売元 キングレコード)。日本国国歌「君が代」のオーケストラ版とオーケストラ伴奏合唱版をはじめ、ドイツや米国などの国歌のほか、エルガーの「威風堂々」(英国)、シベリウスの交響詩「フィンランディア」(フィンランド)、チャイコフスキーの祝典序曲「1812年」(ロシア)など各国の作曲家による愛国的な作品も収めた。ロシア出身でフランスに移住した作曲家グラズノフの「第1次世界大戦の連合国の国歌によるパラフレーズ」という管弦楽曲も収めている。そこには英国やフランス、ロシアなどと並んで日本の「君が代」も連合国の国歌として登場する。

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