2018年版のタレントパワーランキング芸人編は、お笑い界の変革が感じられる結果になった。17年までは3年連続でタモリが1位だったが、今回は芸歴20年のサンドウィッチマンが首位を獲得。次いで、芸歴28年の博多華丸・大吉が2位となった。
日経エンタテインメント!が発表している「タレントパワーランキング」は、アーキテクトが3カ月に1度実施している、タレントの「認知度(顔と名前を知っている)」と「関心度(見たい・聴きたい・知りたい)」の調査を基に、2つのデータを掛け合わせて「タレントパワースコア」を算出、ランキング化したものだ。(調査の詳細は総合編の「タレントパワー、マツコ3連覇 石原さとみ4位浮上」をご覧ください)

サンドウィッチマンと博多華丸・大吉の2組の共通点は、コンビ仲が良く、相方に関するエピソードトークが豊富なこと。そしてサンドは仙台、華大は福岡と地元愛が強く、売れっ子になった今も地方のレギュラー番組や漫才のステージを大切にしている。バラエティではロケに強く、どちらかというと名脇役タイプ。場を仕切るイメージはあまりなかったが、華大は18年4月から『あさイチ』(NHK)の司会に抜てきされ、サンドもMCの役割が増えてきた。視聴者から好かれ、制作側からも期待されており、今後も様々な現場で求められることになるだろう。
女性ピン芸人の時代が到来

もう1つ特徴的だったのは、女性のピン芸人の活躍が目立ったこと。前回大幅上昇した渡辺直美が、さらに躍進して3位の快挙。17年に最も存在感を示したブルゾンちえみは16位に入った。23位のイモトアヤコ、24位のいとうあさこを含めると、TOP30に4人もランクインしており、女性芸人へのニーズも高まっていそうだ。
5位にはタモリ、6位には内村光良、7位には明石家さんま、9位にはダウンタウンという、国民的な大物たちが入った。順位だけを見れば下がってはいるが、パワースコアは上がっている。すでに確固たる芸風や地位があるものの、成長の余地のある後輩に軍配が上がったとみられる。ダウンタウンに関しては、松本人志が10位、浜田雅功が15位で、個人では順位が上がった。松本はAmazonプライム・ビデオの『ドキュメンタル』がシーズン4まで配信され、浜田は『プレバト!!』(TBS系)の視聴率が絶好調だった。
12位には、いまや愛され芸人となった出川哲朗がランクインした。17年4月には、自身初のゴールデンタイムの冠番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)がスタート。出川と地元の人との触れ合いが好評を得ている。そのほか、特番では『出川哲朗のアイ・アム・スタディー』など、MCの仕事も舞い込むように。サントリー「明日のレモンサワー」やベネッセ「進研ゼミ」など新規CMも増え、スコアが上昇した。