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都心転居、老後に「正しかった」と思えるか気がかり 脚本家、大石静さん

NIKKEIプラス1

2018/6/14

脚本家。東京都生まれ。TVドラマ「ふたりっ子」「四つの嘘」「セカンドバージン」「家売るオンナ」など執筆。阿川佐和子さんとの対談本「オンナの奥義」(文藝春秋)が発売中。

出来ちゃった婚で娘が早く家を出ました。断捨離を進め、東京都内の一軒家から夫婦で都心の小さなマンションに引っ越したいと思っています。年を取った後、この選択は正しかったと思えるかなと少し気になっています。(東京都・50代・男性)

驚くような心配性ですね。

こんなこと、50代のあなたに言うのもおこがましいですが、一つの選択が正しかったかどうかは、その後になってみなければわかりません。

人から見て失敗に見えることも、本人にとっては成功であることもあり、成功か失敗かの結論は、誰がどの時点で出すかによっても答えが違って来るものです。

2006年夏の甲子園における早実高の斎藤佑樹投手と、駒大苫小牧高の田中将大投手の勝負は、ハンカチ王子・斎藤投手の勝ちでしたが、現在は田中投手の方が大リーグで活躍中で華やかです。でもこの先10年後、20年後となると、どうなるかはわかりません。

もし斎藤投手が大学に進学せず、プロに行っていたら、どうなっていたか、などということも、やってみていないわけですから、永遠にわからないわけです。

これは極端な例ですが、あなたのお引っ越しも、やってみなければ、どういう結果をもたらすかは、わからないでしょう。

やる前から、ああかなこうかなとためらっていると、都心で暮らすというステキな決断も、色あせたものになってしまいます。

今のあなたのためらいは、正に取り越し苦労ですよ。

石橋をたたいて渡るのを尊いという考え方もありますが、私はそうは思いません。リスクを恐れている人には、成功も幸せも訪れないと思うからです。

とは言え、あなたのお引っ越しには、さほどのリスクはないと思われますので、何が心にひっかかるのか、正直よくわかりません。

ちなみに私は、都心にしか住みたくありません。劇場も映画館も気軽に行ける距離にないとイヤですし、夜も昼も仕事をしている人の息吹が感じられる街でないと、生きている気がしないからです。

年を取ると静かな環境を好むと思われがちですが、私は静かな環境は苦手で、その想いは年を重ねるごとに増してきています。

ですので、きっとあなたの都心での生活は、心地良いものになると思いますよ。

迷うことなく都心へGO!

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[NIKKEIプラス1 2018年6月9日付]

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