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古いiPhoneの高速化期待 アップルの新OSどう評価 AR活用の交流促進機能も

2018/6/12

米アップルの世界開発者会議で基調講演するティム・クック最高経営責任者=4日、米サンノゼ(共同)

 アップルが恒例の世界開発者会議WWDC(ワールドワイド・デベロッパー・カンファレンス)を開催した。事前に噂されていたiPhoneの廉価版やiPadの新機種などハードウエアは発表されなかったが、iOSなどソフトウエアで様々な強化が公表された。MONO TRENDYで記事を連載している佐野正弘氏、西田宗千佳氏に加え、辛口評価記事で人気の戸田覚氏に、今回の発表について分析してもらった。

■戸田氏:iOS 12で古い製品が快適になれば高く評価

 アップルが初夏に新製品を発表するWWDCが2018年も開催された。今回は新しいハードウエアはゼロという肩すかしの状況だった。すでに、iPhone Xの目新しさは薄れ、iPhone 8は画面の解像度を見ても周回遅れになっていることは間違いない。それでも業績は絶好調というブランド力はすさまじいばかりだ。あえてハードウエアを投入せずに、小粒なソフトウエアのアップデートにとどまっているのも、自信の表れだと考えてしまう。

iOS 12にはARの機能が盛り込まれる

 目立っているのは、iPhone、iPad用のOSの新バージョン「iOS 12」にAR(拡張現実)機能が盛り込まれていること。ARはちょっと使うぶんには楽しいけれど、のめり込みそうなコンテンツがないだけに今後に期待したい。カメラを物体に向けると、その長さが測れるAR定規アプリの「Measure」は、精度が高ければ家具選びなどの際に便利そう。とはいえ、ARの各種アプリや定規アプリはすでにサードパーティーから提供されているので少々拍子抜けだ。

※AR 実際の風景に、コンピューターグラフィックスを重ねて表示する技術。代表的な例にポケモンGOがある。

Measureアプリのデモ。カメラを物体に向け、画面を2回タップするとその間の距離を計測できる

 iOS 12はiPhone 6sなどの古い製品でも動作が高速になっているという。これが体感できるほど速くなるなら、僕はその姿勢を高く評価する。高くてもアップル製品を買えば末永く快適に使えるのだから。他にもSiriや通知が改善されるなど小さな進化の発表は多かったが、ユーザーの期待する発表がなかったのは残念だ。

※Siri iPhoneやiPadなどで利用できる音声アシスタント。「メッセージを送って」など、人に話すようにiPhoneやiPadに向かって指示を出せる。

※通知 アプリからの情報やその日のスケジュールなどを一覧する機能。ロック時の画面に表示できるほか、指を画面の上端から下にスワイプすることでいつでも表示できる。

戸田覚
 1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。

■佐野氏:コミュニケーションの進化に注目

 今回のWWDCで筆者が注目したのは「コミュニケーション」である。

 それを象徴するのが、ユーザーの顔の動きに合わせて絵文字が動く「Animoji」を自分の顔にカスタマイズできる「Memoji」と、最大32人が同時にテレビ電話できる「FaceTime」だ。機能の一つひとつを見れば既に存在するものだが、それらを組み合わせ、さまざまな顔が画面上に並んで会話する様子を見ると、スマートフォンの本質でもあるコミュニケーションの姿を、アップルが大きく変えようとしている様子を実感できる。

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